執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
新築住宅の固定資産税はいくら|減額措置(3年1/2)・長期優良住宅5年軽減と計算例
新築住宅の固定資産税は、毎年1月1日時点の家屋の状況で課税されます。一般に完成した翌年度から納税通知書が届きますが、1月1日に完成している家屋はその年の年度から対象となり、通知時期も自治体で異なります。「年間いくらかかるのか」は住宅ローンの返済計画と同じくらい気になるところですが、新築住宅には一定期間の減額措置(軽減措置)があるため、入居直後の負担は抑えられます。ただし、減額期間が終了すると税額が跳ね上がったように感じるケースもあり、長期の家計シミュレーションには減額終了後の税額も織り込んでおく必要があります。
固定資産税の基本的な仕組み
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している方に対して市区町村が課す地方税です。税額は以下の計算式で算出されます。
固定資産税額 = 課税標準額 × 税率(標準1.4%)
評価額と課税標準額は、住宅用地の特例などで異なることがあります。土地は評価額をそのまま税率に掛けず、課税明細書の課税標準額を使います。
固定資産税評価額は市区町村が決定します。建物は建築会社への支払額に一定割合を掛ける仕組みではなく、同様の家屋を再建築する場合の価格や経年減点補正率などで評価されます。構造(木造・鉄骨・RC)、床面積、仕様によっても変わるため、契約金額だけでは確定できません。
土地の固定資産税には「住宅用地の特例」があり、1戸につき200m2までの部分(小規模住宅用地)は課税標準額が評価額の1/6に、それを超える一般住宅用地は1/3になります。住宅用地として扱う面積には、原則として家屋の床面積の10倍までという上限もあります。多くの戸建て住宅の敷地は200m2以内に収まるため、土地の固定資産税は実質的にかなり低く抑えられています。
都市計画税は原則として市街化区域内の土地・建物に課され、税率の上限は0.3%です。条例により対象区域が異なる場合があるため、所在地の自治体で確認します。住宅用地の特例は都市計画税にも適用されますが、軽減率は小規模住宅用地で1/3、一般住宅用地で2/3と固定資産税とは異なります。
新築住宅の減額措置は3年間(または5年間)1/2
2031年3月31日までに新築された住宅は、一定の要件を満たすと、建物にかかる固定資産税が一定期間1/2に減額されます。対象は床面積120m2以下の居住部分で、120m2を超える部分は減額対象外です。
| 住宅区分 | 減額期間 | 減額率 |
|---|---|---|
| 一般の新築住宅(次の構造区分を除く) | 3年間 | 1/2 |
| 3階建以上の耐火・準耐火構造の新築住宅 | 5年間 | 1/2 |
| 認定長期優良住宅(次の構造区分を除く) | 5年間 | 1/2 |
| 3階建以上の耐火・準耐火構造の認定長期優良住宅 | 7年間 | 1/2 |
2026年4月1日以降に新築した住宅は、居住部分の床面積が40m2以上240m2以下であることが要件です。2026年3月31日までの新築は原則50m2以上280m2以下で、一戸建て以外の貸家住宅の下限は40m2でした。店舗併用住宅では居住部分が全体の1/2以上であることも必要です。マンションは専有部分に共用部分の按分面積を加えて判定するため、販売図面の専有面積だけで判断しないでください。
出典:国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」、横浜市「新築住宅に係る固定資産税の減額制度」(2026年10月9日確認)。
長期優良住宅の認定を受けると減額期間が2年延長される点は見逃せません。認定取得には設計段階での手続きが必要なため、ハウスメーカーへの相談は契約前の段階で行うのが効果的です。みらいエコ住宅2026事業の補助金でも長期優良住宅は優遇されており、税制と補助金の両面でメリットがあります。
災害リスクのある区域では対象外となる条件にも注意が必要です。2026年度改正には2029年4月1日以降の新築に対する区域要件の見直しも含まれるため、該当区域と完成予定日を所在地の自治体に伝えて確認してください。
新築住宅の固定資産税シミュレーション
建物の固定資産税評価額を1,200万円と仮定し、新築軽減の有無で税額がどう変わるか計算してみます。減額の効果を比べるため、以下の試算では評価替えによる評価額の変化を含めていません。実際の4年目・6年目の税額が必ず2倍になるという意味ではありません。
ケース1: 一般の新築戸建て(床面積110m2)
表は横にスクロールできます。
| 年 | 計算式 | 年額 |
|---|---|---|
| 1〜3年目(軽減あり) | 1,200万円 x 1.4% x 1/2 | 84,000円 |
| 4年目以降(軽減終了) | 1,200万円 x 1.4% | 168,000円 |
3年目から4年目で年額84,000円の増加。月額に換算すると7,000円の負担増です。軽減が終わって「増税された」と感じる方もいますが、実際には元の税額に戻っただけです。
ケース2: 認定長期優良住宅(床面積110m2)
表は横にスクロールできます。
| 年 | 計算式 | 年額 |
|---|---|---|
| 1〜5年目(軽減あり) | 1,200万円 x 1.4% x 1/2 | 84,000円 |
| 6年目以降(軽減終了) | 1,200万円 x 1.4% | 168,000円 |
長期優良住宅なら5年間の軽減が受けられるため、一般住宅と比べて2年分(168,000円)の差が出ます。
土地の固定資産税も合算した年間目安
土地の固定資産税評価額を1,500万円(小規模住宅用地の特例適用)とすると、土地分の年額は1,500万円 x 1/6 x 1.4% = 35,000円。建物と合わせた年間負担の目安を整理します。
表は横にスクロールできます。
| 期間 | 建物 | 土地 | 合計(年額) | 合計(月額目安) |
|---|---|---|---|---|
| 軽減期間中 | 84,000円 | 35,000円 | 119,000円 | 約9,900円 |
| 軽減終了後 | 168,000円 | 35,000円 | 203,000円 | 約16,900円 |
住宅ローンの月々の返済額に加えて、軽減終了後は月16,000〜17,000円程度の固定資産税がかかる想定で家計シミュレーションを組んでおくと安心です。住宅ローンの損益分岐点も含めた長期の返済計画を検討してください。
建築費別の固定資産税目安
建築費ごとの予算感を比べるため、評価額を建築費の55%と仮置きした計算例です。この55%は制度上の評価率や公的な平均値ではありません。床面積120m2以下で全額が新築軽減の対象となる場合を想定しています。
表は横にスクロールできます。
| 建築費 | 仮置き評価額 | 軽減期間中(年額) | 軽減終了後(年額) |
|---|---|---|---|
| 1,500万円 | 825万円 | 約57,800円 | 約115,500円 |
| 2,000万円 | 1,100万円 | 約77,000円 | 約154,000円 |
| 2,500万円 | 1,375万円 | 約96,300円 | 約192,500円 |
| 3,000万円 | 1,650万円 | 約115,500円 | 約231,000円 |
| 3,500万円 | 1,925万円 | 約134,800円 | 約269,500円 |
いずれも建物分のみの仮定計算です。土地の課税標準額や都市計画税の有無は物件ごとに異なるため、総額は別々に計算して足します。住宅の建築費を検討する際は、家を建てる費用(土地あり)の予算帯別シミュレーションもあわせてご確認ください。
固定資産税評価額はどう決まるのか
「自分の家の固定資産税はいくらになるか」を事前に知りたい場合、建物の固定資産税評価額がカギになります。評価額は市区町村の家屋調査によって決定されますが、新築時の評価額は概ね以下のような傾向があります。
家屋の評価は、屋根材・外壁材・設備仕様などを調べる再建築価格方式で行われます。建物の販売価格には土地代や事業者の経費等が含まれることもあり、税務上の評価と分けて考える必要があります。同じ建築費でも、仕様が異なれば評価額は変わります。
評価額は3年ごとに見直されます(評価替え)。家屋では経年減点だけでなく建築物価の変化も反映され、計算後の額が前年度を上回る場合は原則として据え置かれます。築年数が増えても、評価額が毎回下がるとは限りません。横浜市の価格の決め方にも、この評価の手順が示されています。一方、土地の評価額は地価の変動に連動するため、地価上昇エリアでは土地分の固定資産税が増加する可能性もあります。地価上昇率ランキングでエリア別の地価動向も確認しておくとよいでしょう。
家屋調査は新築後に市区町村の職員が訪問して行います。外観・構造・内装・設備を確認し、仕上げ材のグレードや設備の種類ごとに点数を付けて評価額を算出します。建物と一体の設備は評価に含まれることがありますが、太陽光発電設備などの扱いは設置方式によっても異なります。逆に、外構や庭木は建物の評価には含まれません。
都市計画税と不動産取得税も忘れずに
新築住宅を取得すると固定資産税以外にも税負担が発生します。資金計画から漏れがちな2つの税金を確認しておきましょう。
都市計画税は原則として市街化区域内の土地・建物に課される税金で、税率は上限0.3%。固定資産税と一緒に毎年課税されます。住宅用地の特例は都市計画税にも適用されますが、軽減率は固定資産税(小規模住宅用地1/6)より小さく、小規模住宅用地で1/3です。新築住宅の建物に対する減額措置は、都市計画税には適用されない自治体が大半のため注意が必要です(一部自治体では独自の軽減措置あり)。
不動産取得税は住宅を取得した時に1回だけ課される都道府県税で、税率は住宅の場合3%。新築住宅は課税標準から1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)が控除されます。床面積等の適用要件を満たし、控除後の課税標準額がゼロとなる場合は、建物分の不動産取得税が生じません。土地の取得税は別に計算・軽減要件を確認してください。
これらの税金と住宅ローン控除、補助金を総合的に把握するには、住宅補助金2026年一覧で国の制度全体を確認するのが効率的です。
減額措置の申請方法と期限
一般の新築住宅の減額は、家屋調査などで要件を確認し、申告不要としている自治体もあります。横浜市もこの取扱いです。「すべての住宅で申請が必要」「何もしなくても必ず適用される」のどちらとも決めつけず、家屋調査時に必要な手続きを確認します。
認定長期優良住宅の減額には、認定通知書の写しなどを添えた申告が必要です。国土交通省の案内では、新築した年の翌年(1月1日に新築した場合はその年)の1月31日までとされています。認定の取得と税の申告は別手続きなので、住宅会社にどこまで依頼済みかを確かめてください。
住宅用地の特例についても、建物の完成や土地の利用状況を自治体が把握できているか確認します。申告書や認定通知書を提出した場合は控えを残し、最初の課税明細書と照合できるようにしておきます。
最初の課税明細書で軽減の適用を確かめる
通知書が届いたら、納付額だけでなく土地と家屋の明細を開きます。確認するのは、家屋の床面積・用途、新築軽減の減額額、土地の住宅用地区分、固定資産税と都市計画税それぞれの課税標準額です。120m2を超える家では、対象外部分の税額が残るため、家屋の税額全体が半分にならなくても誤りとは限りません。
前年より増えたときは、減額の終了なのか、評価替えなのか、土地の利用区分が変わったのかを分けて照会します。自治体に連絡する際は、通知書の年度・家屋番号・完成日・長期優良住宅の認定の有無を手元に置くと、担当者が該当明細を確認しやすくなります。納期限まで放置せず、納付の扱いも同じ窓口で確かめてください。
固定資産税の減額は「建てた後」の手続きですが、減額を前提とした資金計画は「建てる前」の段階で立てておく必要があります。複数のハウスメーカーから見積もりを取り、建築費・ローン返済・固定資産税・補助金を総合的に比較検討するのが確実です。
タウンライフ家づくりの一括資料請求を利用すると、間取りプラン・資金計画書・土地提案が無料で届きます。長期優良住宅対応のプランを依頼しておくと、固定資産税の減額期間延長も含めた比較がしやすくなります。
よくある質問
新築住宅の固定資産税はいつから払いますか?
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されます。1月2日以降に完成した家屋は通常その翌年度から、1月1日時点で完成している家屋はその年の年度から対象になります。納税通知書の送付時期・納期は所在地の自治体で確認してください。ただし、建売住宅を購入した場合は、売主との間で日割り精算を行うのが一般的です。
4年目で固定資産税が急に上がったのですが、増税ですか?
増税ではなく、新築住宅の減額措置(3年間1/2)が終了したために本来の税額に戻っただけです。この「減額終了による税額アップ」を知らないと驚きますが、制度上は予定どおりの変動です。住宅ローンの返済計画には、4年目以降の税額増を織り込んでおきましょう。
固定資産税の評価額に納得できない場合はどうすればよいですか?
固定資産税評価額に不服がある場合は、市区町村の固定資産評価審査委員会に審査の申出ができます。評価替え年度が原則ですが、新築家屋などはそれ以外の年度でも対象となる場合があります。期限は原則として納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内です。横浜市の審査申出の案内では、評価額への不服と、減額等の課税処分への不服は手続きが分かれています。所在地の税務窓口で評価の根拠と申立先を確認してください。なお、評価替え年度以外でも「縦覧制度」を利用すれば、同一地域内の土地・家屋の評価額を閲覧して自分の評価額と比較できます。縦覧期間は例年4月1日から第1期納期限の日までです。
長期優良住宅にすると固定資産税以外にもメリットはありますか?
住宅ローン控除の借入限度額が引き上げられるほか、みらいエコ住宅2026事業には長期優良住宅の区分がありますが、世帯・住宅・申請期限・受付状況などの要件確認が必要です。不動産取得税の控除額も1,300万円(一般住宅は1,200万円)に拡大されます。認定取得の追加費用も含め、実際に利用できる税制と補助金で試算を依頼してください。
固定資産税はいつから発生しますか。
毎年1月1日時点の所有者に課税されます。家屋は原則として完成後に迎える1月1日の状況で課税され、1月1日完成の場合はその年の年度から対象となります。土地も1月1日時点の所有者が納税義務者です。購入時に売主と行う税負担の日割り精算は、自治体の課税とは別の契約上の精算です。
固定資産税の減額措置はいつまで適用されますか。
一般の新築住宅は3年間、3階建以上の耐火・準耐火住宅は5年間です。認定長期優良住宅はそれぞれ2年延長され、対象となる居住部分120m2までの固定資産税が2分の1に軽減されます。減額期間終了後は本来の税額に戻るため、資金計画に含めてください。
固定資産税と都市計画税の違いは何ですか。
固定資産税は全国一律で課税される地方税(税率1.4%が標準)です。都市計画税は原則として市街化区域内の土地・建物に課税される税(上限0.3%)です。課税区域や独自の軽減は自治体の条例で確認してください。