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成長エリアランキング /

人口増加が続く市区町村ランキング2026|2050年推計で将来も増える街を公的データで分析

日本全体の人口は減少トレンドにある。しかし全国を一律に見ることは正確ではない。2025年時点でも人口が増え続け、2050年の推計人口が2020年を上回る市区町村が実際に存在する。

住宅購入や土地活用を考えるとき、「この街は30年後も人が住んでいるか」という問いは資産価値の維持に直結する。人口が増えれば住宅需要が下がりにくく、商業施設や医療機関が維持されやすい。逆に人口が急減するエリアでは、インフラの縮小・施設の撤退が現実の課題になる。

先に結論を書きます。2026年5月に公表された令和7年国勢調査の速報では、2020年から2025年の5年間で人口が増えた市町村は、全国1,719のうち161(9.4%)でした。一方、2025年の1年間に引っ越しで人が増えた市町村は700あります。人が集まっている街の数と、人口が増えている街の数は一致しません。

この記事では、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の令和5年将来推計人口と、総務省の住民基本台帳人口移動報告を基に、将来人口比(2050年/2020年)と転入超過率の上位市区町村をランキングする。あわせて、直近の実績である令和7年国勢調査の人口増減も並べ、推計と実績のズレを確認していきます。

5年間で人口が増えた市町村は、1,719のうち161

総務省統計局は2026年5月29日に、令和7年国勢調査の人口速報集計を公表しました。2025年10月1日時点の全国人口は1億2,304万9,524人で、2020年から309万6,575人(2.5%)減っています。

都道府県で人口が増えたのは東京都(19万8,621人増)と沖縄県(740人増)の2都県だけです。残る45道府県は減り、減少数が最も大きかったのは北海道の23万9,195人でした。

市町村単位で見ると、増えたのは1,719市町村のうち161(9.4%)にとどまります。10市町村のうち9つは、この5年で人口が減りました。

その一方で、2025年の1年間に人の移動で増えた市町村は700あります。ここでいう移動は、国内の市区町村間の引っ越し(転入-転出)と、国外との出入り(国外からの転入-国外への転出)を足したものです。国内の引っ越しだけに限れば455になります。

なお総務省が公表する「社会増減数」は、これに移動前の住所地不詳と職権消除等を加減した値で、本記事の集計とは一致しません。ここでは実際の引っ越しの動きに絞って数えています。

この2つを掛け合わせると、市町村は4つのグループに分かれます。

140 人口も増えた 21 人は減ったが 人口は増えた 560 人は集まったが 人口は減った 998 どちらも減った 5年間で 人口が増えた 5年間で 人口が減った 移動で増えた 移動で減った 全国1,719市町村の内訳 縦=2020→2025年の国勢調査人口/横=2025年の移動(国内+国外) 人が集まっている街と、人口が増えている街は一致しない

最も多いのは「人は集まったのに人口は減った」560市町村です。引っ越しで人が増えても、亡くなる人が生まれる人を上回る自然減がそれを打ち消していると考えられます。街選びで「人が集まっている」と「人口が増えている」を同じ意味に扱うと、判断を誤ります。

人口増加数が大きい市町村(2020年→2025年)

総務省が公表した増加数の上位は次のとおりです。東京23区は「特別区部」としてひとつの市町村に数えられています。

順位市町村2025年人口5年間の増加数
1東京都 特別区部9,953,160人+219,884人
2大阪府 大阪市2,808,624人+56,212人
3福岡県 福岡市1,663,892人+51,500人
4茨城県 つくば市268,991人+27,335人
5神奈川県 川崎市1,561,132人+22,870人
6埼玉県 さいたま市1,345,016人+20,991人
7千葉県 千葉市994,970人+20,019人
8千葉県 流山市215,130人+15,281人
9愛知県 名古屋市2,345,892人+13,716人
10大阪府 吹田市394,503人+8,936人
11千葉県 柏市435,373人+8,905人
12千葉県 印西市110,400人+7,791人

減少数が大きいのは北九州市(3万4,740人減)、静岡市(3万3,769人減)、京都市(3万2,010人減)で、政令指定都市が並びます。人口減少は地方の町村だけで起きているわけではありません。

東京23区の内訳は公表表では見えない

上の表では23区がひとまとめのため、区ごとの動きが分かりません。同じ速報集計から23区を抜き出すと、増加数の上位はこうなります。

5年間の増加数増加率
江東区+29,048人+5.54%
台東区+16,946人+8.01%
葛飾区+14,521人+3.20%
墨田区+13,118人+4.82%
北区+13,077人+3.68%
世田谷区+12,944人+1.37%
中央区+12,739人+7.53%
新宿区+12,249人+3.51%
港区+12,176人+4.67%
大田区+11,328人+1.51%

23区のうち20区で人口が増えました。減ったのは千代田区(481人減)、目黒区(1,620人減)、渋谷区(4,764人減)の3区です。都心のブランドエリアである渋谷区が1.95%減という結果は、都心回帰という言葉だけでは説明がつきません。

増加率ランキングは上位が入れ替わる

増加率で並べ替えると、顔ぶれが大きく変わります。

順位市町村2025年人口増加率
1福島県 大熊町1,534人+81.1%
2福島県 富岡町2,890人+35.8%
3福島県 浪江町2,573人+33.8%
4福島県 楢葉町4,543人+22.5%
5北海道 占冠村1,487人+13.9%
6茨城県 つくば市268,991人+11.3%
7沖縄県 宜野座村6,319人+8.3%
8北海道 南幌町7,890人+7.8%
9千葉県 流山市215,130人+7.6%
10千葉県 印西市110,400人+7.6%

上位4つはいずれも福島第一原子力発電所の事故で避難指示が出ていた自治体で、避難指示の解除にともなう住民の帰還が反映されています。大熊町の増加数は687人ですが、2020年の人口が847人と小さいため、率にすると81.1%になります。

率のランキングは分母が小さいほど跳ねます。住まい探しの参考にするなら、増加率と増加数、そして元の人口規模を必ずセットで見てください。人口10万人以上に限れば、つくば市(11.3%)、流山市(7.6%)、印西市(7.6%)が上位に来ます。

人が集まっても人口が減る街と、国外からの転入で支える街

「人は集まったのに人口は減った」560市町村の代表例を挙げます。期間をそろえるため、移動の側も2021年から2025年の5年分を積み上げました。

市町村5年間の移動(国内+国外)5年間の人口増減
神奈川県 横浜市+90,474人-22,651人
北海道 札幌市+44,679人-9,361人
埼玉県 川口市+22,856人-2,267人
京都府 京都市+21,096人-32,010人
兵庫県 神戸市+15,420人-27,522人
千葉県 市川市+14,005人-2,469人

横浜市は5年間で9万人分の流入超過がありながら、国勢調査の人口は2万2,651人減りました。

国勢調査と住民基本台帳は調査の方法が違うため、2つの数字を単純に差し引きすることはできません。それでも、これだけ人が入っている街で人口が減っている以上、死亡数が出生数を上回る自然減が主な要因とみられます。

転入超過の中身は国内と国外で分かれる

もうひとつ見落とされやすいのが、転入超過の中身です。総務省の統計では、国内の市区町村間の移動と、国外との出入りが別に集計されています。

2025年の転入超過数(人) 国内の市区町村間 国外との出入り 0 +5,489 +16,564 名古屋市 +11,298 +10,566 横浜市 +8,175 +9,931 福岡市 -810 +7,243 京都市 -2,250 +6,426 豊島区

京都市と豊島区は、国内の引っ越しでは転出が上回っています。それでも移動全体がプラスになるのは、国外との出入りがそれを埋めているためです。国内の引っ越しでは人が減っているのに、国外との出入りを足すと移動全体がプラスになる市町村が257あります。

住宅需要を読むときは、この2つを分けて見てください。同じ「人が増えた」でも、国内の住み替えで増えたのか、国外からの転入で増えたのかで、必要とされる住宅の種類は変わります。どちらの需要がどれだけあるかは、この統計だけでは分かりません。世帯構成や在留資格、持ち家か借家かの別を扱う統計と合わせて確認する必要があります。

将来人口比(2050年/2020年)の読み方

将来人口比は、社人研が令和5年に公表した「日本の地域別将来推計人口」から算出した指標です。計算式は「2050年の推計人口 ÷ 2020年国勢調査の実績人口」で、1.0を超えると「2050年に2020年より人口が多い」ことを意味する。

値が1.2なら2020年比20%増、0.8なら20%減です。全国平均では2050年時点で2020年比約85%程度まで人口が減少する推計だが、都心部や成長都市では1.2を超えるエリアも存在する。

将来人口比はあくまでも「推計」であり、現在の社会経済状況が大きく変化すれば実績は異なる。ただし社人研の推計は国の政策立案にも使われる水準の精度を持ち、インフラ整備・施設配置の計画に広く活用されている。自治体の都市計画もこの推計を基礎として策定されるため、エリア選びの参考として信頼性が高い。

これに対して転入超過数は、年間の転入者数から転出者数を引いた差で、現在進行形の動きを表します。人口千人当たりに直したものが転入超過率です。これが高いエリアは「今まさに選ばれている」状態にあります。

なお転入超過数は引っ越しだけを数えた値で、出生・死亡による自然増減は含みません。将来人口比(将来の見通し)と転入超過(現在の動き)を組み合わせると、立体的に判断できます。

2050年人口増加率TOP20

社人研の令和5年推計から、2050年人口比(2050年推計人口÷2020年実績人口)の上位20市区町村を示す。将来性スコアは医療・商業・安全度・将来人口・財政力の加重平均による独自指標です。

順位都道府県市区町村2050年人口比地価変動率将来性スコア人口(2020年)
1東京都中央区1.247+13.5%64.9169,179
2千葉県流山市1.209+13.2%63.9199,849
3東京都港区1.200+15.0%66.5260,486
4東京都千代田区1.197+12.8%64.966,680
5千葉県印西市1.168+4.7%62.0102,609
6東京都台東区1.157+18.5%61.4211,444
7埼玉県さいたま市緑区1.132+2.5%61.2128,321
8東京都文京区1.131+16.0%62.1240,069
9東京都江東区1.130+13.5%60.7524,310
10大阪府大阪市西区1.107+15.1%62.4105,862
11東京都品川区1.101+15.0%58.3422,488
12東京都渋谷区1.096+12.5%61.2243,883
13神奈川県川崎市中原区1.096+6.1%57.9263,683
14東京都豊島区1.092+14.3%60.4301,599
15東京都墨田区1.092+14.2%60.7272,085
16大阪府大阪市中央区1.090+15.0%65.5103,726
17大阪府大阪市北区1.090+13.3%61.5139,376
18神奈川県横浜市西区1.089+9.7%61.1104,935
19大阪府大阪市福島区1.086+11.9%59.879,328
20神奈川県川崎市幸区1.082+6.1%57.4171,119

20位以内はすべて東京・千葉・埼玉・神奈川・大阪の都市圏です。全国の人口が減少する中で、首都圏と大阪圏の都市部・衛星都市に人口が集積するという二極化が現れています。

エリア単位の詳しいデータは、横浜市の住宅補助金一覧千葉県の地価ランキング船橋市の戸建て・土地相場で確認できます。

首都圏 — 都心回帰と衛星都市の二極

首都圏のトップは東京都中央区(1位:2050年人口比1.247)です。2020年の約16.9万人から2050年には約21万人以上に増加する推計で、湾岸エリアの大型マンション開発が継続していることが背景にあります。

港区(3位:1.200)と千代田区(4位:1.197)は東京都心3区の中でも人口増加推計が高い。都心回帰のトレンドが続いており、高層住宅の新規供給が若年層・共働き世帯の転入を呼んでいる。

首都圏で目を引くのが千葉県の2市です。流山市(2位:1.209)は「母になるなら流山市」のキャッチコピーで知られ、つくばエクスプレス沿線での子育て支援策が功を奏して転入超過が続いている。2025年には人口20万人を突破しており、将来性スコア63.9も上位圏内です。

印西市(5位:1.168)は千葉ニュータウンの核として、大型商業施設や物流・データセンター関連の雇用が集まり、2020年からの5年間で人口が7.59%増えました。ただし国内の引っ越しに限れば2023年から転出超過が続いており、勢いは以前より落ち着いています。

台東区(6位:1.157)は浅草周辺のインバウンド需要と都市再開発が住宅地価と人口を押し上げ、5年間で8.01%増と23区で最も高い増加率でした。

関西 — 大阪市内の複数区が人口増

大阪圏では、大阪市西区(10位:1.107)・中央区(16位:1.090)・北区(17位:1.090)・福島区(19位:1.086)の4区がランクインした。いずれも大阪市内の都心・準都心エリアで、タワーマンション開発と商業集積が居住需要を引きつけている。

大阪市中央区は将来性スコア65.5と全市区町村中でも高い水準です。2025年大阪・関西万博に向けたインフラ整備と都市ブランドの向上が、中長期的な人口維持に寄与している。

大阪市の都心区はタワーマンションの供給が続いており、2025年の国内移動でも大阪市北区は1,143人の転入超過でした。ただし同じ都心でも大阪市中央区は613人の転出超過で、区ごとに動きが分かれています。

2025年に実際に人が集まった街(住民基本台帳の実績)

将来人口比は推計です。実際に今どこへ人が動いたかは、住民基本台帳人口移動報告で確認できます。2025年の国内の市区町村間移動で、転入超過数が大きかった市町村は次のとおりです。

順位市町村2025年の転入超過数人口千人当たり
1東京都 特別区部+39,197人3.9
2神奈川県 横浜市+11,298人3.0
3北海道 札幌市+10,835人5.5
4大阪府 大阪市+9,841人3.5
5福岡県 福岡市+8,175人4.9
6神奈川県 川崎市+7,889人5.1
7埼玉県 さいたま市+7,835人5.8
8千葉県 千葉市+6,031人6.1
9愛知県 名古屋市+5,489人2.3
10千葉県 船橋市+4,029人6.2

実数では大都市が並びますが、人口規模に対する比率で見ると別の街が浮かびます。人口1万人以上の1,154市町村を千人当たりの転入超過率で並べると、1位は大阪府島本町(32.6)、2位は福岡県須恵町(17.9)、3位は熊本県嘉島町(17.9)でした。いずれも大都市に隣接し、まとまった宅地供給があるエリアです。

規模の大きい市では、流山市(10.7)が最上位に来ます。人口20万人を超える規模でこの水準を維持している市はほかにありません。

将来推計の上位でも、直近では人が減っている街がある

将来人口比のTOP20と2025年の実績を突き合わせると、両者は必ずしも一致しません。上位から主なものを抜き出します。

市区2050年人口比2020→2025年の人口2025年 国内転入超過
東京都 中央区1.247+7.53%+1,947人
千葉県 流山市1.209+7.65%+2,297人
東京都 港区1.200+4.67%-365人
東京都 千代田区1.197-0.72%-51人
千葉県 印西市1.168+7.59%-723人
東京都 台東区1.157+8.01%-32人
東京都 渋谷区1.096-1.95%-794人
東京都 豊島区1.092+1.49%-2,250人
大阪府 大阪市中央区1.090+15.06%-613人

将来人口比が上位20に入る市区のうち、8つは2025年の国内移動で転出超過でした。将来推計が高いことと、今この瞬間に選ばれていることは別の話です。

印西市の推移を見ると、この違いがはっきりします。

国内の市区町村間の転入超過数(人) 4,000 3,000 2,000 1,000 0 -1,000 2020 2021 2022 2023 2024 2025 流山市 印西市 将来人口比が全国5位の印西市も、直近は3年続けて転出が上回る

印西市の国内転入超過は2021年の1,760人をピークに縮小し、2023年にマイナスへ転じました。2025年まで3年続けて転出が転入を上回っています。

ただし、印西市の5年間の人口は7.59%増えています。増加の大半は2020年から2022年の流入と、国外からの転入によるものです。過去5年の増加率が高いことは、今も人が入り続けている証明にはなりません。

土地を探すときは、5年単位の増減率と直近1年の転入超過を分けて確認してください。前者は街の実績、後者は今の勢いを示します。

地方の中核都市は、推計と実績で明暗が分かれる

TOP20は首都圏・大阪圏の都市部に集中しますが、地方にも人口を保っている中核都市や衛星都市があります。将来推計と、2020年から2025年の実績を並べます。

都道府県市区町村2050年人口比2020→2025年特徴
福岡県福岡市東区1.043+5.34%子育て世帯の流入、宅地開発が活発
福岡県福岡市中央区1.047+5.29%九州の経済中枢、転入超過が継続
茨城県つくば市1.060+11.31%研究機関・大学・TX沿線の住宅需要
愛知県名古屋市東区1.032+7.35%都心近接、再開発と教育環境
滋賀県草津市1.004+3.35%京阪神圏のベッドタウン、大学立地
熊本県合志市(本記事の集計対象外)+4.16%半導体関連の雇用集積で転入増
神奈川県海老名市0.973+3.77%相鉄JR直通による都心アクセス改善
宮城県仙台市青葉区0.948+1.52%東北の経済・行政中心、大学集積
沖縄県那覇市0.882-2.06%観光産業に依存、周辺市町へ人口分散
石川県金沢市0.873-1.98%北陸の中核、観光・大学・医療の集積

地方中核都市の人口維持には、産業基盤・大学集積・交通アクセスの3要素が共通しています。福岡市の2区とつくば市は、将来推計も直近5年の実績も揃ってプラスです。

一方、那覇市と金沢市は将来推計が0.9を下回り、直近5年でも人口が減りました。地方の中核都市であることと、人口が維持されることは別です。

熊本県合志市はTSMC熊本工場の稼働にともなう半導体関連の雇用集積で、5年間に4.16%増えました。産業誘致が人口に直結した例です。将来推計は459市区町村を対象とした集計に含まれないため、実績で判断しています。

住みやすい街ランキング(北陸版)住みやすい街ランキング(関西版)で、地方中核都市の住環境スコアを地域別に確認できる。

人口増加と住みやすさの関係

人口が増えているエリアを選ぶことは資産価値の面で合理的だが、注意点もあります。

人口増加が続くエリアは、住宅需要が旺盛なため地価も上昇しやすく、取得コストが高くなる。また、急激な人口増加はインフラの逼迫(保育所・学校・道路)を引き起こすことがあります。流山市は人口増加のペースが計画を上回ったため、保育所の整備が一時的に追いつかない局面があった事例として知られる。

人口増加エリアを選ぶ際は、自治体の財政力と公共インフラ整備の計画を合わせて確認することが重要です。将来人口比が高くても、財政基盤が弱い自治体ではインフラ維持が困難になるリスクがあります。

地価トレンドランキングで地価との連動も確認しつつ、住みやすさ全国ランキングで総合的な生活環境を評価することを勧める。

この記事で使ったデータ

いずれも国が公表している統計です。最新の数値は各リンク先で確認できます。

市町村ごとの集計は、上記の統計表を編集部で並べ替えたものです。全国・都道府県の合計値が総務省の公表値と一致することを確認しています。

市町村数の数え方は総務省の公表表に合わせ、東京23区は「特別区部」としてひとつに数えています(全国1,719市町村)。23区ごとの内訳を示した箇所と、将来人口比を扱う箇所だけは、区単位で見ています。

「移動による増減」は、国内の市区町村間の転入超過数と、国外からの転入者数から国外への転出者数を引いた値を合計したものです。総務省が公表する「社会増減数」は、これに移動前の住所地不詳と職権消除等を加減した値で、本記事の集計とは一致しません。5年分を示した箇所は2021年から2025年の合計です。

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よくある質問

国勢調査と住民基本台帳、どちらの人口を見ればよいですか?

用途で使い分けます。国勢調査は5年に一度、実際にそこに住んでいる人を調べる全数調査で、5年単位の実績を比べるのに向いています。

住民基本台帳人口移動報告は届出をもとに毎年集計されるため、直近1年で人がどう動いたかを見るのに向いています。この記事では、5年の実績を国勢調査、直近の勢いを住民基本台帳と、役割を分けて使っています。

なお住民基本台帳の転入超過数に、生まれた人・亡くなった人は含まれません。人口が増えるかどうかは、転入超過と自然増減の合計で決まります。

社人研の将来人口推計はどの程度信頼できますか?

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口は、国の政策立案・インフラ計画の基礎資料として使われており、国内で最も権威ある人口推計です。

過去の推計と実績を比べると、都市部では実際の転入超過を過小評価するケースもあり、推計より実際の人口増加が大きかった自治体も存在します。逆に、大規模工場の撤退・金利変動・テレワーク普及といった外部環境の変化で、実績が推計から離れることもあります。

参考値として使いつつ、転入超過数など現在のデータと組み合わせて判断してください。

人口が増えている街の不動産は将来的に値上がりしますか?

人口増加と地価上昇には強い相関がありますが、保証するものではありません。首都圏・大阪圏の成長エリアは地価公示データで継続的な上昇を示しており、人口増加が需要を支える構造になっています。

ただし、取得タイミングや物件の個別条件(駅距離・築年数・管理状況)によって値動きは異なります。「人口が増えているエリアだから安心」ではなく、個別物件の評価と合わせて判断してください。

地方で人口が増えている街を選ぶ基準は何ですか?

地方で人口増加が続く街の共通点は3つあります。広域中枢都市(福岡市・仙台市など)やその衛星都市であること、半導体・自動車など主力産業の雇用基盤があること、大学・研究機関が立地していることです。

ただし中核都市であれば安心とは限りません。2020年から2025年の実績では、那覇市が2.06%減、金沢市が1.98%減と、県庁所在地でも人口が減っています。移住を検討するときは、就業先・子育て環境・医療アクセスに加えて、直近の実績を必ず確認してください。

転入超過率と将来人口比、どちらを重視すればよいですか?

目的によって重みが異なります。短中期(10年以内)の賃貸需要や地価動向を見るなら、転入超過が直接的な判断材料になります。長期(20〜30年)の資産価値維持や老後の住環境を考えるなら、将来人口比が重要です。

2025年の実績で見ると、両方が高いのは流山市や東京都中央区です。港区・印西市・大阪市中央区は将来推計が上位でも、直近1年は転出が転入を上回りました。片方だけで判断せず、両方を並べて確認してください。

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