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住宅ローンの事務手数料を銀行12行で比較|定額型(数万円)と定率型(2.2%)の総コスト試算

住宅ローンを比較するとき、金利ばかりに目が行きがちですが、事務手数料の違いで初期費用に数十万円の差がつくことがあります。住宅ローンの事務手数料には「定額型」と「定率型」の2タイプがあり、どちらを採用しているかは金融機関ごとに異なります。この記事では、事務手数料の仕組みを整理したうえで主要12行の手数料を比較し、保証料との関係、借入額別の初期費用シミュレーション、どちらが得かの判断基準まで解説します。

事務手数料の2タイプ — 定額型と定率型の仕組み

住宅ローンの事務手数料は、金融機関がローン実行にあたって徴収する手数料です。借入時に一括で支払い、後から返金されることはありません(後述の保証料とはここが異なります)。

定額型は、借入額にかかわらず手数料が一定です。3万3,000円〜11万円程度に設定している金融機関が多く、初期費用を抑えたい場合に有利です。ただし、定額型を採用している金融機関は、その分だけ適用金利がやや高めに設定されていることがあります。

定率型は、借入額に対して一定の割合で手数料がかかります。業界標準は「借入額の2.2%(税込)」で、4,000万円を借りると88万円です。初期費用は高くなりますが、金利が低めに設定されていることが多く、借入期間が長いほど総支払額では有利になりやすい構造です。

この違いを理解しないまま「金利が安い」という理由だけで銀行を選ぶと、事務手数料で数十万円を余計に払うことになる場合があります。

主要12行の事務手数料比較表

2026年4月時点で公開されている住宅ローンの事務手数料を、金融機関のカテゴリ別にまとめます。金利は変動金利の最優遇金利を記載していますが、審査結果によって個人差がある点に留意してください。

ネット銀行

金融機関事務手数料(税込)タイプ保証料参考金利(変動)
住信SBIネット銀行借入額の2.2%定率なし0.448%
auじぶん銀行借入額の2.2%定率なし0.434%
PayPay銀行借入額の2.2%定率なし0.465%
SBI新生銀行5.5万円(定額型)/ 借入額の2.2%(定率型)選択制なし0.55%(定額型)/ 0.42%(定率型)

ネット銀行は定率型が主流で、保証料は不要です。SBI新生銀行は定額型と定率型を選べるのが特徴で、定額型は事務手数料が5.5万円と低い代わりに金利が高く、定率型は金利が低い代わりに事務手数料が高くなります。

メガバンク

金融機関事務手数料(税込)タイプ保証料参考金利(変動)
三菱UFJ銀行3.3万円(保証料型)/ 借入額の2.2%(手数料型)選択制保証料型あり0.625%(保証料型)/ 0.445%(手数料型)
三井住友銀行3.3万円(保証料型)/ 借入額の2.2%(手数料型)選択制保証料型あり0.625%(保証料型)/ 0.475%(手数料型)
みずほ銀行3.3万円(保証料型)/ 借入額の2.2%(手数料型)選択制保証料型あり0.625%(保証料型)/ 0.475%(手数料型)

メガバンクは「保証料型」と「手数料型」を選べるのが特徴です。保証料型は事務手数料が3.3万円と安い代わりに、別途保証料がかかります。手数料型は事務手数料が借入額の2.2%で保証料なし、という構造はネット銀行と同じです。

地方銀行・信用金庫・その他

金融機関事務手数料(税込)タイプ保証料参考金利(変動)
ソニー銀行4.4万円定額なし0.547%
楽天銀行33万円定額なし0.856%
イオン銀行借入額の2.2%定率なし0.530%
りそな銀行3.3万円(保証料型)/ 借入額の2.2%(手数料型)選択制保証料型あり0.595%(保証料型)/ 0.440%(手数料型)
フラット35(ARUHI)借入額の2.2%(Web割で1.1%)定率なし1.890%(21年以上)

ソニー銀行は事務手数料が4.4万円の定額型で、金利もネット銀行の中では中位です。楽天銀行は33万円の定額型で、3,000万円以上の借入なら定率型(2.2%)より安くなる計算です。ARUHIのフラット35はWeb申込でのキャンペーン割引(1.1%)があり、借入額によっては初期費用を抑えられます。

保証料と事務手数料の関係

住宅ローンの初期費用を正しく比較するには、事務手数料と保証料を合算して見る必要があります。この2つは名前が違うだけで同じようなものと思われがちですが、性質が異なります。

比較項目事務手数料(定率型)保証料(外枠・一括前払い)
金額の目安借入額の2.2%借入額の約2.0%(35年の場合)
支払い時期借入時に一括借入時に一括
繰上返済時の返金なし未経過分の一部が返金される
金利への影響金利が低めに設定される傾向金利がやや高めの場合が多い

最も大きな違いは、繰り上げ返済時の返金の有無です。保証料型は保証会社に支払った保証料のうち、繰り上げ返済で期間が短縮された分の保証料が戻ってきます(返戻保証料)。一方、事務手数料型は金融機関への手数料であり、繰り上げ返済しても1円も戻りません。

つまり、借入期間を当初の予定より大幅に短縮する見込みがある人(10年以内に完済する予定など)は、保証料型のほうが実質的なコストが低くなる可能性があります。逆に、35年間フルに返済する前提なら、金利が低い事務手数料型のほうが総支払額で有利になりやすいです。

保証料には「外枠方式(一括前払い)」と「内枠方式(金利上乗せ)」があります。内枠方式は初期費用がゼロになりますが、金利に0.2%程度が上乗せされるため、長期的な総支払額は外枠方式より高くなります。初期費用だけで判断せず、返済総額で比較してください。

4,000万円借入時の初期費用シミュレーション

借入額4,000万円のケースで、代表的なパターンの初期費用を比較します。

パターン事務手数料保証料(外枠・35年)初期費用合計参考金利
ネット銀行(定率型)88万円0円88万円0.45%前後
メガバンク(手数料型)88万円0円88万円0.45〜0.48%前後
メガバンク(保証料型)3.3万円約82万円約85万円0.625%前後
SBI新生銀行(定額型)5.5万円0円5.5万円0.55%
ソニー銀行(定額型)4.4万円0円4.4万円0.547%

初期費用だけを見ると、ソニー銀行やSBI新生銀行(定額型)が圧倒的に低いです。しかし、金利は定率型の金融機関より高めに設定されているため、借入期間を通した総支払額では逆転する可能性があります。

35年間の総支払額(元利均等返済・ボーナス返済なし)で比較すると、以下のようになります。

パターン初期費用利息総額(35年)初期費用+利息
定率型(金利0.45%)88万円約323万円約411万円
定額型・SBI新生銀行(金利0.55%)5.5万円約397万円約403万円
定額型・ソニー銀行(金利0.547%)4.4万円約395万円約399万円
保証料型(金利0.625%)85万円約453万円約538万円

35年の長期で見ると、定額型は初期費用の安さが利息差を吸収し、総コストでも有利になるケースがあります。ただし、この試算は金利が35年間変わらない前提であり、変動金利の場合は金利変動で結果が変わる点に留意してください。

借入期間が短い場合の損得

借入期間が35年ではなく、15年や20年で組む場合は損得の構造が変わります。借入期間が短いほど利息総額が小さくなるため、金利差の影響が小さくなり、初期費用の差がそのまま結果を左右しやすくなります。

4,000万円・20年返済で比較した場合の試算です。

パターン初期費用利息総額(20年)初期費用+利息
定率型(金利0.45%)88万円約183万円約271万円
定額型(金利0.55%)5.5万円約225万円約231万円
保証料型(金利0.625%)85万円約256万円約341万円

20年返済では、定額型の優位性が大きくなります。定率型は初期費用88万円のハンデが利息差42万円では埋めきれず、定額型のほうが総コストで約40万円安くなる計算です。

繰り上げ返済で当初35年を20年程度に短縮する予定がある場合も同様の構造になります。加えて、保証料型なら繰り上げ返済による返戻保証料(15万〜30万円程度)が戻るため、保証料型と定額型の差はさらに縮まります。

「何年で完済するか」の見通しが、事務手数料タイプの選択に直結します。

変動金利の比較軸を広げたい場合は住宅ローン変動金利ランキングで金利以外の選び方を整理しています。固定金利との比較は変動金利と固定金利はどっちが得かも参考にしてください。

事務手数料を含めた住宅ローン選びのポイント

金利と事務手数料は連動しているため、どちらか一方だけで判断するのは危険です。住宅ローンを選ぶ際には、以下の3つの視点をセットで検討する必要があります。

返済期間の見通しを立てることが第一歩です。35年フルに返済する前提なら、金利が低い定率型が総コストで有利になりやすいです。20年以下で完済する見通しがあるなら、定額型で初期費用を抑えたほうが合理的です。返済期間の見通しが立たない場合は、保証料型を選んでおくと繰り上げ返済時の返戻保証料で柔軟に対応できます。

団体信用生命保険(団信)の内容もあわせて比較してください。事務手数料が安くても、疾病保障付きの団信が有料オプションで金利0.1〜0.3%上乗せになると、総コストが逆転することがあります。無料でがん50%保障や全疾病保障が付く金融機関もあるため、金利+事務手数料+団信の3点セットで見積もることが大切です。

初期費用の負担を抑えたい場合は、定額型を第一候補にしたうえで、金利差による長期コストを許容できるかを確認します。初期費用に余裕がある場合は、金利の低さを優先して定率型を選ぶほうが合理的です。

住宅ローン全般の基礎知識は住宅ローンの基礎知識で体系的にまとめていますので、あわせてご確認ください。

よくある質問

事務手数料が安い銀行はどこですか。

定額型の事務手数料が安い銀行は、ソニー銀行(4.4万円)、SBI新生銀行の定額型(5.5万円)、メガバンクの保証料型(3.3万円、ただし別途保証料あり)です。ネット銀行で最も事務手数料が安いのはソニー銀行ですが、金利は定率型の金融機関よりやや高めです。総コストで比較してから判断してください。

事務手数料は住宅ローンに含めて借りられますか。

金融機関によって対応が異なります。ネット銀行では事務手数料を借入額に含められない場合が多く、自己資金での支払いが求められます。メガバンクや一部の地方銀行では、諸費用ローンとして事務手数料を含めて借りられる商品もあります。ただし、諸費用を借入額に含めると返済総額が増えるため、可能であれば自己資金で支払うほうが有利です。

保証料型と手数料型、どちらが得ですか。

35年間フルに返済する前提なら、金利が低い手数料型が総支払額で有利になりやすいです。10〜20年で繰り上げ完済する予定があるなら、返戻保証料がある保証料型や、初期費用が低い定額型のほうが実質コストを抑えられる可能性があります。完済までの期間の見通しが判断基準になります。

事務手数料は値引き交渉できますか。

基本的に事務手数料は金融機関の規定どおりで、値引き交渉には応じてもらえないことがほとんどです。ただし、不動産会社やハウスメーカーの提携ローンでは、通常より事務手数料が優遇されるプランが用意されていることがあります。複数のハウスメーカーから提案を受けると、提携ローンの条件も比較しやすくなります。

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住宅ローンの事務手数料は、提携先のハウスメーカーや工務店を通じて申し込むと優遇条件が適用されることがあります。家づくりの一括資料請求サービスで複数社の資金計画シミュレーションを取り寄せると、事務手数料を含めた総コストを比較しやすくなります。

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