執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
和室を洋室にリフォームする費用相場|6畳・8畳の工事別内訳
和室を洋室にリフォームしたいと考えたとき、費用がどのくらいかかるかは最初に知りたいところです。畳をフローリングにするだけの工事と、押入れのクローゼット化、壁や天井のクロス張り替えまで含める工事では費用が大きく変わります。
費用が大きく動く理由は、工事の範囲と下地の状態にあります。畳を剥がしてみて初めて下地の傷みが見つかるケースも珍しくなく、見積もりの段階で想定しておくべき要素がいくつかあります。
この記事では、和室から洋室へのリフォーム費用を工事内容別に整理し、6畳と8畳の費用目安、マンション特有の注意点、DIYで対応できる範囲まで解説します。
和室から洋室へのリフォームは「部分」か「一式」かで費用が変わる
和室の洋室化には、部分リフォームとフルリフォームの2つの進め方があります。
部分リフォームは、畳だけフローリングにする、押入れだけクローゼットにする、壁だけクロスに張り替えるといった形で、必要な箇所だけ手を入れる方法です。予算が限られている場合や、和室の雰囲気を一部残したい場合に向いています。
フルリフォームは、床、壁、天井、建具、収納をすべて洋室仕様に変える工事です。見た目も使い勝手も完全な洋室に仕上がりますが、下地の状態次第で費用が上振れする可能性は残ります。
どちらを選ぶかは、現状の和室の状態と完成後の用途で決まります。子ども部屋や寝室として使うなら床だけの変更でも十分なことがありますし、書斎やリビングの延長として使いたいなら一式で仕上げたほうが統一感を出せます。
工事内容別の費用内訳
和室の洋室化で発生する工事を項目ごとに分けると、費用の全体像がつかめます。
| 工事内容 | 6畳の費用目安 | 8畳の費用目安 | 工期の目安 |
|---|---|---|---|
| 畳からフローリングへの張替え | 10万〜20万円 | 15万〜25万円 | 1〜2日 |
| 押入れからクローゼットへの変更 | 8万〜20万円 | 同左 | 1〜2日 |
| 壁(じゅらく壁からクロスへ) | 6万〜12万円 | 8万〜15万円 | 1日 |
| 天井(竿縁天井からクロスへ) | 5万〜10万円 | 6万〜12万円 | 1日 |
| 障子・襖から洋風建具へ | 5万〜15万円/箇所 | 同左 | 1日 |
| フルリフォーム一式 | 25万〜60万円 | 35万〜75万円 | 3〜5日 |
費用レンジが広い理由は、使用する建材のグレードと既存下地の状態に差があるためです。たとえば、フローリング材だけ見ても、合板フローリングなら1平方メートルあたり4,000〜6,000円程度ですが、無垢材にすると8,000〜15,000円になります。
畳からフローリングへの張替え
畳を剥がしてフローリングを張る工事では、畳の厚み(通常40〜55mm)とフローリングの厚み(12〜15mm程度)に差があるため、下地で高さを調整する必要があります。この高さ調整の手間が費用に影響します。
根太(ねだ)の状態が良ければ上から合板を張って高さを揃えますが、根太が傷んでいたり、湿気でカビが生えている場合は補修や交換の費用が上乗せされます。
押入れからクローゼットへの変更
押入れは奥行きが約80cmあり、一般的なクローゼット(奥行き60cm程度)より深い構造です。そのまま棚とハンガーパイプを付けるだけなら8万〜12万円程度で収まりますが、奥行きを変更する場合は壁の組み直しが必要になり、15万〜20万円まで上がります。
中棚を撤去して上下にハンガーパイプを2段設置するパターンと、上段を棚板にして下段にパイプを通すパターンがあり、収納するものに合わせて選ぶこになります。
壁と天井の洋室化
和室の壁はじゅらく壁(土壁)や砂壁が多く、これを洋室用のクロスに変更します。土壁の表面が安定していれば直接クロスを張れることもありますが、ひび割れや浮きがある場合はベニヤ板で下地を作ってからクロスを張ります。下地作りが必要になるかどうかで、費用が2万〜5万円ほど変わります。
天井は竿縁天井(さおぶちてんじょう)をクロス仕上げに変更するのが一般的です。竿縁を外してベニヤ板を張り、その上にクロスを貼る流れになります。天井板の裏が見えない場所に配線が通っていることがあるため、照明の位置変更を同時に行うなら電気工事費が加算されます。
費用を左右する4つの要因
同じ6畳の和室洋室化でも、条件によって見積もり金額に大きな差が出ます。
下地の状態
最も影響が大きいのが下地の状態です。築年数が浅い住宅や定期的にメンテナンスされた和室なら、下地補修はほぼ不要です。古い住宅では、畳の下の根太に腐りがあったり、壁の土台が湿気を吸って劣化していたりすることがあります。補修範囲が広がるほど、追加費用は大きくなります。
断熱材の追加
和室の床下に断熱材が入っていないことは珍しくありません。フローリングに変えた後に「冬場の底冷えがひどい」と感じるケースがあり、このタイミングで断熱材を追加する人もいます。費用は6畳で5万〜10万円程度の上乗せになりますが、快適性への効果は大きいです。リフォーム全体の断熱改修については断熱リフォームの費用相場で詳しくまとめています。
防音対策
マンションでフローリングに変更する場合、遮音等級を満たす建材の選定が必須です(後述)。戸建てでも、2階の和室を洋室化する場合は階下への衝撃音が大きくなるため、防音フローリングや防音マットの追加を検討する場面があります。
マンションか戸建てか
戸建てでは構造に関する制約が少ないため、比較的自由に工事が進められます。マンションでは管理規約と工事申請のルールが加わるため、使える建材や工事時間に制限が出ることがあります。
マンションで和室を洋室化するときの注意点
マンションで和室を洋室にリフォームする場合、管理規約による制約は見落としやすいポイントです。
多くのマンションでは、フローリングに変更する際の遮音等級が定められています。LL-45以上(軽量衝撃音の遮音等級が45以下)の製品を指定する管理組合が多く、遮音等級を満たさないフローリングは工事申請の段階で却下されます。
遮音フローリングは通常のフローリングより単価が高く、6畳の床材だけで2万〜5万円の差が出ます。加えて、工事前に管理組合への申請書提出が必要で、近隣住戸への挨拶や工事時間帯(多くは平日9時〜17時)の制限もあります。
工事着手前に確認しておくべき項目は以下の通りです。
- 管理規約でフローリングへの変更が認められているか
- 指定の遮音等級はいくつか(LL-45かLL-40か)
- 工事申請に必要な書類と承認までの期間(通常2〜4週間)
- 工事可能な時間帯と曜日
申請が通らないと工事自体ができないため、施工業者に相談する前に管理組合に確認を入れるのが確実です。リフォーム費用相場の目安で場所別の費用感を把握したうえで管理組合に相談すると、話がスムーズに進みます。
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DIYで対応できる範囲とプロに任せるべき範囲
和室の洋室化をすべてDIYで行うのは現実的ではありませんが、一部の作業は自分で対応できます。
DIYで対応しやすい工事
壁紙の張り替えは、ホームセンターで販売されている糊付きクロスを使えばDIY可能です。じゅらく壁の場合は専用のシーラー(下塗り剤)を塗ってからクロスを張ります。費用は6畳の壁面で材料費1万〜2万円程度です。
襖を洋風の引き戸に交換するDIYも可能です。既存の鴨居(かもい)と敷居の溝を利用して、和風襖の代わりにパネル調の引き戸を入れる製品が販売されています。1枚あたり1万〜3万円程度で見つかります。
プロに依頼すべき工事
畳からフローリングへの張替えは、高さ調整と下地処理が伴うため業者に任せたほうが安全です。高さの不均一は建具の開閉不良やつまずきの原因になります。
押入れのクローゼット化も、中棚の撤去、壁の補修、建具の交換が一体となるためプロ向きです。中棚を外した際に壁に穴が開くことが多く、この補修が甘いと見栄えと強度に影響します。
電気工事(照明の位置変更やコンセント増設)は、電気工事士の資格が必要な作業です。DIYで配線をいじると、漏電や火災のリスクがあるため絶対に避けてください。
業者選びのポイントはリフォーム業者の選び方で整理しています。相見積もりの取り方や見積書の読み方を事前に知っておくと、交渉の場で有利に進められます。
費用を抑えるための工夫
工事をまとめて依頼する
畳だけ、壁だけと別々の時期に依頼するより、一度にまとめて発注したほうが総額は安くなりやすいです。養生、搬入、廃材処分の手間を1回にできるため、諸経費が圧縮されます。
建材のグレードを部分的に調整する
フローリングを全面無垢材にすると費用が上がります。来客から見える部分は質感のよい材を選び、家具で隠れる部分は標準グレードにするという方法もあります。壁紙も量産品と1000番台では平方メートル単価に差があるため、部屋の用途に合わせてバランスを取ります。
補助金を確認する
2026年度は、住宅省エネ2026キャンペーンの一環として「みらいエコ住宅支援事業」が運用されています。和室の洋室化そのものは対象外ですが、同時に窓の断熱改修や内窓設置を行う場合は補助対象になる可能性があります。2026年リフォーム補助制度の基礎知識で最新の制度内容を確認してください。
工期と工事中の生活への影響
部分リフォーム(畳だけ、壁だけ)であれば1〜2日で完了するため、日常生活への影響は限定的です。フルリフォーム一式の場合は3〜5日が標準ですが、下地補修が広範囲になると1週間近くかかることもあります。
工事中はその部屋が使えなくなるため、家具の移動先を確保しておく必要があります。6畳間の家財を別室に移すスペースがない場合は、一時的にトランクルームを借りる費用(月1万〜2万円程度)も見込んでおくと慌てずに済みます。
マンションの場合、養生や搬入で共用廊下を使うため、近隣住戸への事前挨拶と管理組合への届出が求められることが大半です。工事の音が出る日程と時間帯は事前に伝えておきましょう。
よくある質問
和室を洋室にリフォームするのにいくらかかりますか?
工事範囲によって異なります。畳からフローリングへの変更のみなら6畳で10万〜20万円、フルリフォーム(床・壁・天井・建具・収納)で25万〜60万円が目安です。8畳の場合はそれぞれ15万〜25万円、35万〜75万円程度になります。下地の状態や建材のグレードで変動するため、複数社の見積もりで比較するのが確実です。
和室の洋室化はDIYでできますか?
壁紙の張り替えや襖の交換はDIYで対応できます。一方、畳からフローリングへの張替えは高さ調整と下地処理が必要なため、仕上がりと安全性を考えると業者に依頼するのが無難です。電気工事は資格が必要なため、DIYでは行えません。
マンションで和室を洋室にリフォームする際の注意点は?
管理規約で定められた遮音等級(LL-45以上が一般的)を満たすフローリングを使う必要があります。工事前に管理組合への申請書提出と承認が必要で、近隣住戸への挨拶や工事可能な時間帯にも制限があります。規約を確認せず工事を進めると、やり直しを求められる場合があります。
和室リフォームに使える補助金はありますか?
和室の洋室化そのものを対象にした補助金は原則ありません。ただし、同時に窓の断熱改修や内窓設置を行う場合は「住宅省エネ2026キャンペーン」の補助対象となる可能性があります。自治体独自の住宅改修助成がある場合もあるため、お住まいの市区町村の制度も確認してください。