執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
土地購入の流れ|買付から契約・決済・引き渡しまでの手順と費用
注文住宅を建てるために土地を探している人にとって、「気に入った土地が見つかった後、何をすればいいのか」は分かりにくい部分です。買付証明書、重要事項説明、売買契約、住宅ローン審査、残金決済、登記と、短期間に複数の手続きが並行して進みます。手順を理解していないと、申込みのタイミングを逃す、ローン審査が間に合わない、必要書類が足りないといった問題が起きます。
この記事では、土地購入の全体の流れを手順ごとに整理し、各段階で必要なこと、かかる費用、注意点を解説します。
土地購入の全体の流れ
土地購入は、大きく「申込み → 契約 → 決済・引き渡し」の3段階に分かれます。土地探しから引き渡しまでの期間は、スムーズに進んで1〜2か月、土地探しの期間を含めると3か月〜1年程度です。
| 段階 | やること | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1 | 買付証明書(購入申込書)の提出 | 土地決定後すぐ |
| 2 | 住宅ローン事前審査 | 3日〜1週間 |
| 3 | 重要事項説明 | 契約当日 |
| 4 | 土地売買契約の締結・手付金支払い | 申込みから1〜2週間 |
| 5 | 住宅ローン本審査 | 1〜3週間 |
| 6 | 金銭消費貸借契約(金消契約) | 本審査通過後 |
| 7 | 残金決済・所有権移転登記 | 契約から1〜2か月 |
| 8 | 土地の引き渡し | 決済と同日 |
注文住宅の場合、土地の契約と並行して建物の設計・見積もりも進めます。全体の流れは注文住宅の流れで整理しています。土地探しの段階で住宅会社にも相談しておくと、土地と建物の総額を見ながら判断できます。
1. 買付証明書の提出
気に入った土地が見つかったら、最初に行うのが買付証明書(購入申込書)の提出です。不動産会社を通じて売主に「この条件で購入したい」という意思を伝える書面です。
買付証明書には法的拘束力はありません。提出した時点で購入が確定するわけではなく、売主が承諾して初めて交渉が進みます。ただし、人気のある土地は先着順で交渉権が決まることが多く、検討に時間をかけすぎると他の買主に先を越される可能性があります。
記載する内容は、購入希望価格、手付金の額、契約希望日、住宅ローン利用の有無、引き渡し希望時期です。値引き交渉をする場合は、この段階で希望価格を提示します。
2. 住宅ローン事前審査
買付証明書と前後して、住宅ローンの事前審査(仮審査)を金融機関に申し込みます。事前審査が通っていないと、売主側に「本当に買えるのか」という不安を与えるため、できれば買付証明書の提出前に通しておくのが理想です。
事前審査の結果は3日〜1週間程度で出ます。必要書類は本人確認書類、収入証明(源泉徴収票・確定申告書)、物件の概要書です。注文住宅で土地先行の場合は、建物の概算見積もりも求められることがあります。
事前審査は複数の金融機関に同時に出しても問題ありません。金利や条件を比較するために2〜3行に出しておくと安心です。住宅ローン事前審査の流れと必要書類で詳しく解説しています。
3. 重要事項説明
売買契約の前に、宅地建物取引士が重要事項説明書に基づいて物件の説明を行います。宅地建物取引業法第35条で義務付けられた手続きで、契約前に必ず行われます。
確認すべき主要項目を整理します。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 用途地域・建ぺい率・容積率 | 希望の建物が建てられるか |
| 接道状況 | 幅員4m以上の道路に2m以上接しているか |
| インフラ | 上下水道・ガス・電気の整備状況 |
| 法令上の制限 | 高さ制限、防火地域、セットバックの有無 |
| ハザードマップ | 洪水・土砂・津波のリスク区域か |
| 抵当権等 | 売主の借入が残っていないか |
| 手付金の保全 | 手付金の保全措置の有無 |
| ローン特約 | ローンが通らなかった場合の白紙解除条件 |
重要事項説明書は事前に取り寄せて読み込んでおくことを推奨します。当日に初めて見ると、限られた時間で全てを理解するのは難しいです。不明点は遠慮なく質問し、納得できない点がある場合は契約を急がないでください。土地の注意点は土地購入の注意点チェックリストも参考になります。
4. 売買契約の締結
重要事項説明を受けた後、売買契約書に署名・捺印し、手付金を支払います。手付金の額は売買価格の5〜10%が一般的です。
| 費目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 手付金 | 売買価格の5〜10% |
| 印紙税 | 1万〜6万円(契約金額による) |
| 仲介手数料(半金) | 売買価格×3%+6万円の半額 |
売買契約書にはローン特約(融資利用の特約)を入れるのが一般的です。住宅ローンの本審査が通らなかった場合、契約を白紙解除でき、手付金も返還されます。ローン特約の期限は契約から3〜4週間が目安です。
契約書に貼付する印紙税は、2027年3月31日まで軽減措置が適用されています。たとえば売買価格が1,000万〜5,000万円の場合、本則2万円のところ1万円に軽減されます。
5. 住宅ローン本審査
売買契約の締結後、住宅ローンの本審査に進みます。事前審査は簡易的な審査ですが、本審査では物件の担保評価や勤務先への在籍確認など、より詳細な審査が行われます。
本審査に必要な書類は事前審査より多く、住民票、印鑑証明書、課税証明書、売買契約書の写し、登記事項証明書などが求められます。審査期間は1〜3週間です。住宅ローン審査の基準と通るコツで審査のポイントを事前に確認しておくとスムーズです。
注文住宅の場合、土地のローンと建物のローンが別々になることがあります。土地代の支払いが先に来るため、つなぎ融資が必要になるケースが多いです。住宅ローンの組み方で土地先行型のローンの選び方を解説しています。
6. 残金決済と引き渡し
本審査が通り、金銭消費貸借契約(金消契約)を結ぶと、融資実行日に残金決済を行います。残金決済は通常、金融機関の一室で、売主・買主・不動産会社・司法書士が集まって実施します。
| 決済日に支払うもの | 目安 |
|---|---|
| 残金(売買価格−手付金) | 売買価格の90〜95% |
| 仲介手数料(残金) | 売買価格×3%+6万円の半額 |
| 登記費用(司法書士) | 20万〜40万円 |
| 固定資産税の日割り清算 | 引き渡し日以降の日割り分 |
所有権移転登記は司法書士が代行し、決済日当日に法務局へ申請します。登記が完了すると、登記識別情報(旧・権利証)が発行されます。
決済と同時に土地の引き渡しが行われ、鍵(あれば)と境界確認書を受け取ります。引き渡し後は固定資産税・都市計画税の納税義務が発生します。
土地購入にかかる諸費用の総額
土地の購入価格とは別に、諸費用として売買価格の6〜10%程度がかかります。
| 費目 | 金額の目安 | 支払い時期 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+税 | 契約時半金、決済時半金 |
| 印紙税 | 1万〜6万円 | 契約時 |
| 登録免許税 | 評価額×1.5% | 決済時 |
| 司法書士報酬 | 5万〜10万円 | 決済時 |
| 不動産取得税 | 評価額×1/2×3% | 取得後4〜6か月 |
| ローン事務手数料 | 3万〜5万円 | 融資実行時 |
| 火災保険(建物) | 10万〜30万円 | 着工前〜引き渡し前 |
たとえば売買価格2,000万円の土地を購入する場合、仲介手数料が約73万円、登録免許税・司法書士・印紙税等で30万〜50万円、不動産取得税が後日発生し、諸費用の合計は120万〜150万円程度になります。
土地購入のスケジュール管理
土地購入では、複数の手続きが並行して進むため、スケジュール管理が重要です。特に注文住宅の場合、土地の決済前に建物の請負契約が必要になることがあり、住宅会社との打ち合わせも同時進行です。
買付証明書の提出から引き渡しまで、最短で1か月、一般的には1.5〜2か月かかります。この間に事前審査、重要事項説明、売買契約、本審査、金消契約、決済と6回以上の手続きが入ります。平日に金融機関や不動産会社に出向く機会が複数回あるため、仕事の調整も必要です。
住宅ローンの本審査で否認されるリスクに備えて、ローン特約の期限には余裕を持たせてください。本審査が長引いて期限を過ぎると、手付金を没収されるリスクがあります。期限の延長は売主の同意が必要なため、早めに金融機関に書類を提出するのが安全です。
土地購入で注意すべきこと
手続きの流れ以外に、以下の点も確認してください。
建築条件付き土地の場合、指定の住宅会社で建物を建てることが条件になります。住宅会社を自由に選びたい場合は避けるか、条件を外せるか交渉する必要があります。建築条件付き土地のメリット・デメリットで判断基準を整理しています。
地盤調査は土地の引き渡し後に行うのが一般的です。軟弱地盤の場合、地盤改良費用として50万〜150万円程度が追加でかかります。土地の購入前にハザードマップと旧地形図を確認し、リスクの高い地域かどうかを把握しておくと安心です。
境界確定は売主の責任で行うのが原則ですが、古い住宅地では境界が曖昧なケースがあります。境界標(杭やプレート)の有無を現地で確認し、不明な場合は売買契約前に境界確定測量を条件にする方法があります。