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土地探し

地盤調査とは?費用・方法・結果の見方と地盤改良が必要なケースを解説

家を建てる土地を選ぶとき、立地や価格、広さは目に見えますが、地盤の状態は見た目では判断できません。土地の地盤調査は、その土地が建物の重さに耐えられるかどうかを確認するための調査で、戸建住宅を建てる際にはほぼ必ず実施されます。地盤が弱い土地にそのまま家を建てると、不同沈下(建物が均一でなく沈むこと)によって壁にひび割れが生じたり、ドアや窓の開閉に支障が出たりするリスクがあります。

地盤調査の結果によっては地盤改良工事が必要になり、数十万円から数百万円の追加費用がかかることもあります。この記事では、地盤調査の目的と法的な位置づけ、主な調査方法と費用、調査結果の読み方、地盤改良が必要となるケース、改良工事の種類と費用目安までを整理します。

地盤調査はなぜ必要か

法令上の根拠

建築基準法施行令第38条では、建築物の基礎は「地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」と定めています。2000年(平成12年)の建設省告示第1347号により、木造住宅でも地盤調査の結果に基づいて基礎の形式を決めることが事実上義務化されました。

住宅瑕疵担保責任保険の加入条件としても地盤調査は必須です。保険法人による保証を受けるには、調査結果に基づいた適切な基礎設計が行われていることが求められます。

調査のタイミング

地盤調査は通常、建築確認申請の前に行われます。土地を購入してからハウスメーカーや工務店と契約し、間取りプランが固まった段階で建物の配置が決まり、その位置に合わせて調査ポイントが設定されます。

タイミング内容
土地購入の検討段階ハザードマップ、旧版地図、地形分類で地盤リスクを推測
土地購入後・建物配置決定後正式な地盤調査を実施
調査結果を受けて基礎形式の決定、必要に応じて地盤改良工事
建築確認申請調査結果を添付して申請

土地購入前の段階で地盤の良し悪しを予備的に調べたい場合は、国土地理院の地形分類図や自治体のハザードマップ、周辺の地盤調査データ(地盤サポートマップ等の無料サービス)を活用する方法があります。土地購入時の注意点全般は土地購入の注意点を整理で解説しています。

SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)

概要

SWS試験(2020年にJIS規格改正で名称変更、旧称スウェーデン式サウンディング試験)は、戸建住宅の地盤調査で最も広く使われている方法です。先端がスクリュー状のロッド(棒)を地面に貫入し、荷重を加えたときの沈み具合と回転数から地盤の強さを測定します。

調査の進め方

  1. 建物の四隅と中央の計5ポイント程度を測定
  2. 各ポイントでロッドに25kg、50kg、75kg、100kgと段階的に荷重を載せる
  3. 荷重だけで沈む場合(自沈)は地盤が弱い証拠
  4. 100kgでも沈まなければロッドを回転させ、25cm貫入するのに必要な半回転数(Nsw値)を計測
  5. 深さ10m程度まで測定(硬い地層に達すれば途中で終了)

費用と所要時間

項目目安
費用3万〜8万円程度(5ポイント測定の場合)
所要時間半日〜1日
調査可能な深さ約10m(硬質地盤に達するまで)
適用対象木造2階建て以下の戸建住宅が中心

自動貫入装置を使う場合は作業が早く、手動式より精度のばらつきも少なくなります。費用は装置の種類や地域、調査会社によって差がありますが、一般的な戸建住宅では5万円前後に収まるケースが多いです。

SWS試験の限界

SWS試験は簡便で費用が安い反面、いくつかの制約があります。

制約内容
土質の特定ができない砂質土か粘性土かの正確な判別が難しい
礫(れき)層で貫入不能大きな石や礫が多い地盤ではロッドが入らず測定不能
深さ10mが目安の上限それ以深の地盤情報は得られない
液状化判定には不十分地下水位や土質の詳細情報が取れない

3階建て以上や重量鉄骨造の建物を計画している場合、またはSWS試験の結果から地盤の状態がはっきりしない場合は、ボーリング調査を追加で行うことがあります。

ボーリング調査(標準貫入試験)

概要

ボーリング調査は、地面にボーリングマシンで穴を掘りながら試料(土のサンプル)を採取し、同時に標準貫入試験でN値を測定する方法です。N値は63.5kgの重りを75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm打ち込むのに必要な打撃回数で、地盤の硬さを示す指標です。

費用と所要時間

項目目安
費用15万〜30万円程度(1箇所、10m掘削の場合)
所要時間1〜3日
調査可能な深さ数十メートル以上(通常20〜30m程度まで)
適用対象3階建て以上、重量鉄骨造、RC造、傾斜地など

戸建住宅の場合、ボーリング調査は1箇所で実施することが多いです。SWS試験と併用し、SWS試験で5ポイントの概略をつかんでからボーリングで詳細を確認するという組み合わせもあります。

ボーリング調査で得られる情報

情報用途
N値(深さごと)地盤の支持力判定、杭の設計
土質サンプル粘性土・砂質土・礫の判別
地下水位地盤改良工法の選定、液状化リスク判定
地層構成支持層の深さの特定

液状化リスクの高いエリア(埋立地や河川沿いの砂地盤)では、ボーリング調査で地下水位と粒度分析のデータを取ることが液状化判定に必要です。

調査結果の読み方

地盤調査の報告書には専門的な数値が並びますが、家を建てる施主が押さえておくべきポイントは3つです。

1. 換算N値(Nsw値からの換算)

SWS試験の結果は換算N値として表示されることがあります。一般的な目安を整理します。

換算N値地盤の状態
0〜3非常に軟弱。地盤改良がほぼ必要
3〜5軟弱。基礎形式の工夫や改良が必要になることが多い
5〜10やや軟弱。ベタ基礎で対応できる場合がある
10以上良好。布基礎でも対応可能なことが多い

2. 自沈層の有無と深さ

SWS試験で荷重を載せただけでロッドが沈む層(自沈層)がある場合、その深さと厚さが重要です。表層から2m以内に自沈層があると、べた基礎だけでは不同沈下のリスクが残るため、地盤改良が検討されます。

3. 地層のばらつき

5ポイント測定した結果に大きなばらつきがある場合、建物の一部だけが沈む不同沈下のリスクがあります。たとえば北側は固い地盤なのに南側が軟弱、というケースでは、均一に沈むよりも建物への影響が深刻になります。

調査報告書の数値だけで判断せず、ハウスメーカーや地盤調査会社に結果の説明を受け、基礎形式と改良の要否を確認してください。接道義務との関係で土地の使い方が制約されるケースは接道義務とは?基準と例外を解説で整理しています。

地盤改良が必要になるケース

地盤調査の結果、以下のような状態が確認されると地盤改良が推奨されます。

状態理由
表層2m以内に自沈層があるべた基礎だけでは不同沈下リスクが残る
支持力が20kN/平米未満一般的な木造住宅の基礎が要求する支持力を下回る
盛り土地盤で締め固めが不十分時間の経過で沈下する可能性がある
地層に著しいばらつきがある不同沈下のリスクが高い
地下水位が高く液状化リスクがある地震時に地盤が液状化して建物を支えられなくなる

土地選びの段階でリスクの低い地盤を選ぶことが理想的ですが、都市部では地盤の良い土地だけを選ぶことは難しく、地盤改良を前提に予算を組んでおくのが現実的です。土地選びで後悔しやすいポイントは土地選びの失敗パターンと防ぎ方で解説しています。

地盤改良工事の種類と費用

地盤改良は、軟弱地盤の深さと厚さ、土質、建物の規模に応じて工法が選ばれます。戸建住宅で使われる代表的な3工法を比較します。

表層改良工法

項目内容
概要表層の軟弱地盤をセメント系固化材と混合して固める
対象軟弱層が地表から2m以内
費用の目安30万〜60万円程度(30坪程度の建物)
工期1〜2日
メリット費用が安い、工期が短い
デメリット軟弱層が深い場合は適用できない

表層改良は最も簡易で費用の安い工法です。軟弱層が浅い場合に選ばれますが、深さ2mを超える軟弱地盤には対応できません。

柱状改良工法(湿式)

項目内容
概要セメントミルクを地中に注入し、土と攪拌して直径60cm程度の柱状の改良体を造る
対象軟弱層が地表から2〜8m程度
費用の目安50万〜120万円程度(30坪程度の建物)
工期1〜3日
メリット中深度の軟弱地盤に対応、実績が豊富
デメリット六価クロム溶出のリスク(事前試験で確認)、将来の撤去が困難

柱状改良は戸建住宅の地盤改良で最も多く採用されている工法です。改良体の本数と長さで費用が変わります。30坪の建物で20〜40本程度が標準的な目安です。

注意点として、将来土地を売却する際に地中に残った改良体が「地中埋設物」として扱われ、撤去費用が問題になることがあります。改良工事の記録(施工報告書)は必ず保管してください。

鋼管杭工法

項目内容
概要鋼管(直径100〜140mm程度)を硬い支持層まで回転圧入する
対象軟弱層が深く、8m以上の深さに支持層がある場合
費用の目安80万〜200万円程度(30坪程度の建物)
工期1〜3日
メリット深い軟弱地盤にも対応、品質が安定
デメリット費用が高い、支持層が確認できないと施工不可

鋼管杭は費用が高いものの、確実に支持層に到達させることで高い信頼性を得られます。軟弱層が特に深いエリア(河川流域の沖積層など)で選ばれることが多い工法です。

3工法の比較

工法対応できる軟弱層の深さ費用の目安工期
表層改良2m以内30万〜60万円1〜2日
柱状改良2〜8m50万〜120万円1〜3日
鋼管杭8m以上80万〜200万円1〜3日

地盤調査前にできるリスク確認

地盤調査は土地購入後に行うのが一般的ですが、購入前の段階でも地盤リスクをある程度推測できます。

確認方法内容
国土地理院 地形分類図谷底低地、後背湿地、自然堤防など地形から軟弱地盤を推測
自治体のハザードマップ液状化リスク、浸水リスクの確認
旧版地図(過去の地形図)元田んぼ、元池、元河川敷は軟弱地盤の可能性
地名「沼」「池」「谷」「田」「洲」がつく地名は水に由来する地盤リスクを示唆
地盤サポートマップ等の無料サービス周辺の地盤調査データを参照

これらはあくまで目安であり、最終的な判断は現地での地盤調査結果に基づきます。ただし、購入前にリスクの高い土地をある程度スクリーニングできれば、予想外の地盤改良費用を避けやすくなります。旗竿地のような変形地でも地盤リスクは変わらず確認が必要で、旗竿地特有の注意点は旗竿地のメリット・デメリットで詳しく解説しています。

よくある質問

地盤調査の費用は誰が負担しますか。

通常、建物を建てる施主(発注者)の負担です。ハウスメーカーや工務店が契約後のサービスとして無料で実施する場合もありますが、見積もりの中に含まれていることが多いです。土地の売主が売却前に地盤調査を行っているケースもあるため、土地購入時に調査データの有無を確認してください。ただし、売主の調査データがあっても建物の配置が異なれば再調査が必要です。

地盤改良の費用は住宅ローンに含められますか。

含められます。地盤改良費用は建物の建築に付随する工事費として、住宅ローンの借入額に組み込むことが可能です。ただし、地盤調査の結果が出るのは通常、土地購入後・建物設計後のため、ローン申請時に改良費用が確定していないケースがあります。予備費として50万〜100万円程度を見込んでおくと安心です。

地盤調査の結果が悪くても土地の売買契約は解除できませんか。

原則として、地盤調査の結果を理由に契約を解除することは難しいです。地盤の状態は「隠れた瑕疵(かし)」に該当する可能性がありますが、地盤調査を購入後に行うケースが大半であるため、購入前の重要事項説明で地盤リスクに関する情報提供がどこまであったかが争点になります。土地購入前に地盤リスクを確認し、改良費用を含めた総予算で購入判断をすることが最も安全です。

地盤保証制度とは何ですか。

地盤調査会社や地盤保証会社が、調査結果に基づいた基礎設計・地盤改良を実施した建物に対し、一定期間(10年〜20年)の不同沈下保証を提供する制度です。万が一不同沈下が発生した場合に、建物の補修費用や地盤の再改良費用が保証されます。保証の対象範囲や免責事項は会社によって異なるため、契約前に保証内容を確認してください。

地盤を知ることは家づくりの土台

地盤調査は目に見えない地面の下の状態を数値化し、安全な基礎設計の根拠を得るための工程です。調査費用は数万円〜数十万円ですが、この費用を惜しんで問題が見つかったときの修補費用は桁違いに大きくなります。

土地を購入する前にハザードマップや地形分類図で大まかなリスクを確認し、購入後の地盤調査で実際の地盤状態を把握し、必要に応じた改良を行う。この一連の流れを理解しておくことで、家づくりの予算計画に地盤改良費用を織り込む余裕が生まれます。

土地探しから家づくりの資金計画までをまとめて相談したい場合は、住まい探しの無料一括相談サービスで複数社の提案を取り寄せると、地盤リスクも含めた総合的な比較がしやすくなります。

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