執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
リフォームローンの金利比較|銀行・信金・住宅ローン借り換えの選び方
リフォームローンの金利は、商品タイプや金融機関によって年1%台から年15%近くまで幅があります。「リフォームローンの金利は高い」と言われることがありますが、それは無担保型の金利水準が住宅ローンより高く設定されているためです。担保を設定する有担保型や、住宅ローン借り換え時にリフォーム資金を上乗せする方法を選べば、金利は大幅に下がります。
リフォームローンの金利は借入総額に直結し、500万円の借入でも金利差1%で返済総額が数十万円変わります。この記事では、リフォームローンの種類ごとの金利水準を整理し、住宅ローン借り換えとの比較、金利以外で見落としやすい比較ポイント、月々の返済額シミュレーションを解説します。
リフォームローンの2つのタイプ|有担保型と無担保型
リフォームローンは担保の有無で大きく2つに分かれます。金利水準、借入上限額、返済期間がまったく異なるため、工事金額と返済計画に合わせて選ぶ必要があります。
| 項目 | 無担保型 | 有担保型 |
|---|---|---|
| 金利の目安 | 年2%〜5%程度(変動)/ 年3%〜8%程度(固定) | 年0.5%〜2%程度(変動)/ 年1%〜3%程度(固定) |
| 借入上限 | 500万〜1,000万円程度 | 1,000万〜5,000万円程度 |
| 返済期間 | 最長10〜15年 | 最長25〜35年 |
| 担保 | 不要 | 自宅に抵当権を設定 |
| 審査期間 | 1〜2週間 | 2〜4週間 |
| 諸費用 | 保証料、事務手数料程度 | 保証料、事務手数料、抵当権設定費用 |
| 向いているケース | 少額リフォーム、手続きを簡単に済ませたい場合 | 大規模リフォーム、長期で返済したい場合 |
無担保型は手続きが簡単で審査も早い反面、金利が高く返済期間が短いため月々の負担が大きくなりやすいです。有担保型は住宅ローンに近い低金利ですが、抵当権設定の登記費用(数万円〜十数万円)が別途かかります。
リフォーム全体の費用感を把握したい場合はリフォーム費用相場の目安が参考になります。
金融機関別の金利水準比較
リフォームローンを取り扱う金融機関は大きく4つのカテゴリに分かれます。2026年4月時点の一般的な金利帯を整理します(各金融機関の公式サイトで最新金利を確認してください)。
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)
| タイプ | 金利の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 無担保型(変動) | 年1.8%〜4.5%程度 | 取引状況に応じた金利引き下げあり |
| 無担保型(固定) | 年3%〜5%程度 | 固定期間2年・5年・10年など選択 |
| 有担保型(変動) | 年0.6%〜1.5%程度 | 住宅ローン利用者向けの優遇金利あり |
メガバンクは給与振込口座や住宅ローンの利用状況で金利が引き下がることが多いです。すでにメインバンクとして利用している場合は、まず自行のリフォームローン金利を確認してください。
ネット銀行
| タイプ | 金利の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 無担保型(変動) | 年1.5%〜3.5%程度 | 店舗コストが低い分、金利が抑えめ |
| 有担保型 | 年0.5%〜1.0%程度(住宅ローン一体型) | 住宅ローン借り換えとセットの商品が多い |
ネット銀行は店舗を持たない分、コストが低く金利設定も比較的有利です。ただし対面相談ができないため、複雑なリフォーム計画の融資相談は電話やオンラインで行うこになります。
地方銀行・信用金庫
| タイプ | 金利の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 無担保型(変動) | 年2%〜5%程度 | 地域限定の金利キャンペーンが頻繁 |
| 無担保型(固定) | 年3%〜6%程度 | 地元事業者との提携で条件が変わることがある |
地銀・信金は全国一律の金利比較では不利に見えることがありますが、地域限定のキャンペーン金利やリフォーム業者との提携による優遇金利を設けていることがあります。地元の金融機関にも見積もりを依頼する価値はあります。
公的融資(住宅金融支援機構)
住宅金融支援機構は「リフォーム融資(高齢者向け返済特例)」や「フラット35(リノベ)」を提供しています。
| 商品名 | 金利の目安 | 対象 |
|---|---|---|
| リフォーム融資(高齢者向け) | 年1%前後(全期間固定) | 60歳以上、バリアフリー等 |
| フラット35リノベ | 年1.2%〜1.8%程度(当初5年or10年引き下げ) | 中古住宅購入+リフォーム |
フラット35リノベは中古住宅購入と同時にリフォームする場合に利用でき、一定の性能向上リフォームを行うと金利が引き下げられます。すでに所有している住宅のリフォームのみでは利用できない点に注意が必要です。
住宅ローン借り換え+リフォーム資金上乗せという選択肢
すでに住宅ローンを返済中の方がリフォームを検討する場合、住宅ローンの借り換え時にリフォーム費用を上乗せするという方法があります。
仕組み
現在の住宅ローン残高にリフォーム費用を加算して、新しい住宅ローンとして借り換えます。たとえば住宅ローン残高1,500万円にリフォーム費用500万円を加えた2,000万円を、新たな住宅ローンとして借り入れる形です。
メリット
住宅ローン金利が適用されるため、リフォームローン単独で借りるより金利が大幅に低くなります。変動金利なら年0.3%〜0.7%程度、全期間固定なら年1.2%〜2.0%程度の水準で借りられる可能性があります。返済期間も最長35年で設定できるため、月々の負担が軽くなります。
注意点
借り換えには事務手数料、保証料、抵当権の登記費用が発生します。諸費用の合計は借入額の2〜3%程度が目安です。現在の住宅ローン金利と借り換え後の金利差が小さい場合、諸費用を考慮すると借り換えのメリットが出ないこともあります。
また、担保となる不動産の評価額を超えて借り入れることはできません。リフォーム費用を上乗せした結果、借入総額が物件評価額を超えるケースでは審査が通りにくくなります。
金利以外で比較すべき5つのポイント
金利の低さだけでローンを選ぶと、トータルのコストで損をすることがあります。
1. 事務手数料と保証料
金融機関によって事務手数料の体系が異なります。定額(3万〜5万円程度)の金融機関と、借入額の2.2%(税込)を手数料とする金融機関があります。500万円の借入なら、前者は3万円、後者は11万円です。保証料も別途かかる場合とかからない場合があり、金利に上乗せするタイプ(年0.2%程度)もあります。
2. 繰上返済の手数料
繰上返済時に手数料がかかる金融機関があります。ネット銀行は無料であることが多いですが、店舗型の金融機関では1回あたり数千円〜3万円程度かかることがあります。臨時収入で繰上返済を予定している場合は事前に確認してください。
3. 返済期間の上限
無担保型は最長10〜15年が一般的です。借入額が大きいほど月々の返済額が膨らむため、返済期間の長さは家計への影響に直結します。500万円を年3%・10年で借りると月々の返済は約4.8万円、15年なら約3.5万円になります。
4. 団体信用生命保険(団信)
住宅ローンでは団信への加入がほぼ必須ですが、リフォームローンは団信の取り扱いが金融機関によって異なります。団信なしの商品は万が一の際に返済が家族に引き継がれるため、ローン残高に見合った生命保険の加入状況を確認しておく必要があります。
5. つなぎ融資の有無
大規模リフォームでは工事の着工金や中間金が必要になることがあります。融資実行が工事完了後の金融機関では、着工金をつなぎ融資や自己資金で賄わなければなりません。資金繰りのタイミングも含めて比較検討してください。
月々の返済額シミュレーション
リフォーム費用500万円を借り入れた場合の月々の返済額を、金利・返済期間別に試算します(元利均等返済、ボーナス払いなし)。
| 金利 | 返済期間10年 | 返済期間15年 | 返済期間20年 | 返済期間35年 |
|---|---|---|---|---|
| 年1.0% | 約43,800円 | 約29,900円 | 約23,000円 | 約14,100円 |
| 年2.0% | 約46,100円 | 約32,200円 | 約25,300円 | 約16,600円 |
| 年3.0% | 約48,300円 | 約34,500円 | 約27,700円 | 約19,300円 |
| 年4.0% | 約50,600円 | 約37,000円 | 約30,300円 | 約22,100円 |
| 年5.0% | 約53,000円 | 約39,500円 | 約33,000円 | 約25,300円 |
年1%と年5%では、返済期間15年の場合に月々約9,600円、総返済額で約173万円の差が生まれます。金利の違いは少額に見えても、長期間の返済では大きな差になります。
リフォームの見積もりを取る段階で複数の金融機関から事前審査を受けておくと、金利条件を比較しやすくなります。見積もり時の注意点はリフォーム見積もりの注意点で解説しています。
リフォームローンを選ぶときの手順
金融機関やローン商品は数が多く、すべてを比較するのは現実的ではありません。以下の手順で絞り込むと効率的です。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 工事金額の概算を出す | リフォーム会社から概算見積もりを取得 |
| 2. 自己資金の額を確定する | 手元に残す生活防衛資金を差し引いた額 |
| 3. 必要な借入額を算出する | 工事金額 - 自己資金 = 借入額 |
| 4. 借入額に合うタイプを選ぶ | 500万円以下なら無担保型、それ以上は有担保型を検討 |
| 5. 住宅ローン残高を確認する | 残高があれば借り換え+上乗せの金利も比較 |
| 6. 3社以上に事前審査を出す | 金利・手数料・条件を実際の数字で比較 |
リフォーム費用そのものを抑えたい場合は、複数社の見積もり比較が有効です。断熱リフォームの費用は断熱リフォームの費用相場と工法別の特徴、水回りリフォームの費用は水回りリフォームの費用相場と進め方でそれぞれ整理しています。
よくある質問
リフォームローンと住宅ローンは併用できますか。
併用できます。住宅ローンの返済中に別途リフォームローンを借りることは制度上可能です。ただし、リフォームローンの審査では住宅ローンの返済額も含めた返済負担率が計算されます。返済負担率が基準を超えると審査に通らないため、住宅ローンの残高が多い場合は借り換え+上乗せ方式の方が通りやすいことがあります。
リフォームローンの審査に通りやすくするコツはありますか。
借入希望額を適正に抑えること、他の借入(カードローン、リボ払い、自動車ローン)を事前に完済しておくこと、安定した収入を示す書類(源泉徴収票、確定申告書)を正確に準備することが基本です。無担保型の方が審査基準は柔軟な傾向がありますが、金利は高くなります。
住宅ローン控除はリフォームローンにも使えますか。
一定の要件を満たすリフォーム工事では住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象になります。対象となるのは増改築、大規模修繕、バリアフリー改修、省エネ改修、耐震改修などで、返済期間が10年以上であることが条件です。無担保型リフォームローンで返済期間が10年未満の場合は対象外になるため、控除を利用したい場合は返済期間の設定に注意が必要です。
金利だけでなく「返済しきれる計画」で選ぶ
リフォームローンの金利比較で見落としがちなのは、金利の低さよりも「月々の返済を無理なく続けられるか」という視点です。金利が低くても返済期間が短ければ月々の負担は重くなりますし、返済期間を長くすれば利息の総額は増えます。
複数の金融機関から事前審査を受け、金利・手数料・返済期間・団信の条件を実際の数字で比較したうえで、家計に無理のない返済計画を組んでください。リフォーム工事自体の費用を抑えることも、ローン負担を軽くする有効な方法です。