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注文住宅

平屋は老後に最適か|60代以降の暮らしで考えたい間取り・予算・住み替えタイミング

平屋は老後の暮らしを見据えた「終の住処」として近年人気が高まっています。階段がなく動線がコンパクト、バリアフリー対応がしやすい、家族のコミュニケーションが取りやすいなど、60代以降の生活で発揮されるメリットが大きいためです。一方で建てるタイミング・予算配分・間取り選定では、現役世代とは異なる視点が必要になります。

この記事では、60代以降の老後を見据えた平屋の間取り・予算・住み替えタイミングを整理し、終の住処としての平屋設計のポイントをまとめます。

老後の平屋に向く間取りの基本

老後二人暮らしを前提にした平屋では、延床20〜25坪のコンパクト構成が動線・掃除・暖房効率のいずれの面でも有利です。寝室・LDK・水回り・趣味スペースをまとめ、子供との同居がない前提なら無理に大きく建てない判断が現実的になります。

設計の中核はバリアフリー対応です。玄関上がり框・浴室入口・部屋境界の段差解消、廊下幅85〜90cm以上、手すり下地、引き戸の採用、トイレ・浴室の広さ確保(2畳以上)を建てる時点で対応すると、後年のリフォーム費用を抑えられます。寝室と水回りの近接配置も重要で、夜間のトイレ動線や入浴介助の動線を考慮し、寝室から直接トイレへ向かう動線を確保した間取りが理想です。

LDKは家の中心に配置し、各部屋への動線を集約します。L字またはコの字の配置で水平動線を効率化するのが定石です。将来の介護対応として、廊下幅と部屋出入口幅を90cm以上にし、玄関アプローチの段差解消やスロープ設置スペースを確保しておくと、車椅子利用にも対応できます。

夫婦二人の平屋 間取り例(22坪・2LDK) LDK 18畳 家の中心・対面キッチン 主寝室 8畳 トイレ 浴室 洗面・脱衣・洗濯 玄関 寝室→トイレを直線3歩(夜間動線)
LDKを中心に水回り・寝室を集約し、寝室からトイレへ直線でつなぐ。段差なし・引き戸・廊下90cmが基本。

なぜ平屋が老後に向くのか(メリットとデメリット)

平屋がシニア世代に選ばれる理由と、注意すべき短所を整理します。

観点メリットデメリット・対策
安全性階段がなく転倒・昇降事故のリスクが小さい防犯面は窓の数が増えるため、雨戸・センサー照明で補う
生活動線ワンフロアで家事・移動が完結し、将来の車椅子も対応しやすい水平距離が伸びるとかえって遠くなる。LDK中心の集約配置で短縮
光熱費・掃除コンパクトな空間で冷暖房効率がよく掃除も楽屋根面積が広く、屋根・外壁の修繕費は2階建てより割高
採光・通風大開口で庭とつながる暮らしがしやすい中央部が暗くなりがち。天窓・中庭・ハイサイドライトで採光
費用延床を抑えれば総額を圧縮できる同じ延床なら坪単価が2階建てより5〜10万円高い

階段がない安全性と、ワンフロアで完結する動線が最大の利点です。短所は「同じ広さなら割高」「中央が暗くなりやすい」点で、いずれも延床を欲張らない・採光計画を工夫することで対策できます。

老後の平屋に必要な広さの目安

国土交通省の住生活基本計画では、豊かな生活に必要な「居住面積水準(一般型)」を、2人世帯で55㎡(約16.6坪)、より広い誘導居住面積水準では2人世帯で75㎡(約22.7坪)としています。老後の夫婦二人暮らしでは、この75㎡前後=延床20〜25坪が、ゆとりと管理しやすさのバランスが取れる目安になります。これより広い40坪超は掃除・冷暖房・修繕の負担が増えるため、終の住処としてはおすすめしません。

老後は平屋と2階建て、どちらが向くか

老後の住まいを平屋にするか2階建てにするかは、敷地条件と将来の体力で判断します。整理すると次のようになります。

観点平屋2階建て
階段・昇降なし。転倒・昇降事故のリスクが小さい階段がある。将来は2階を使わなくなりがち
必要な敷地同じ延床なら広い土地が要る狭い土地でも延床を確保しやすい
建築費同じ延床なら坪単価が高め平屋より坪単価を抑えやすい
バリアフリーワンフロアで自然に実現1階で生活完結する設計なら可能
採光・防犯中央が暗くなりやすい・窓が増える上階で採光・防犯を確保しやすい

敷地に余裕があり、将来の階段昇降の負担を避けたいなら平屋が第一候補です。敷地が狭い・延床を広く取りたい場合は、1階だけで生活が完結する「平屋的2階建て」(1階に寝室・水回り・LDK、2階は来客・収納)も現実的な折衷案になります。

広さ別の間取りの考え方(20坪・25坪・30坪)

老後の平屋は、必要な部屋と暮らし方で広さを選びます。

  • 20坪・2LDK: 夫婦二人のミニマル構成。LDK・主寝室・予備室1・水回り。掃除と光熱費が最も軽い。
  • 25坪・2〜3LDK: 趣味室や客間を1室加えたゆとり型。来客の宿泊や在宅の趣味に対応。
  • 30坪・3LDK: 子・孫の来訪が多い、在宅介護の介助スペースまで見込む場合。管理負担は増える。
広さ別の考え方 20坪 2LDK 夫婦のミニマル 掃除・光熱費が軽い 25坪 2〜3LDK 趣味室・客間を追加 ゆとり型(推奨) 30坪 3LDK 来客・介助スペース 管理負担は増える
夫婦二人なら20〜25坪が掃除・光熱費・暖房効率のバランスがよい。来客や介助を見込むなら30坪まで。

老後の平屋の予算レンジ

老後の平屋(延床20〜30坪)を建てる場合の予算レンジを整理します。

延床建物総額月返済(35年)想定総額(土地別)
20坪1,500〜2,000万円4.3〜5.7万円1,500〜2,000万円
25坪1,800〜2,500万円5.2〜7.2万円1,800〜2,500万円
30坪2,200〜2,800万円6.3〜8.0万円2,200〜2,800万円

平屋は坪単価が2階建てより5〜10万円高いため、延床20坪でも建物総額1,500〜2,000万円。土地ありで住宅ローンを組むか、退職金・貯蓄を活用するか、住み替え(従前住宅売却+建て替え)で予算を調整するのが一般的です。

住み替え原資のパターンとしては、退職金1,500〜2,500万円を頭金または全額に充当する形、従前住宅の売却(都市部なら2,000〜5,000万円)に貯蓄を組み合わせる形、子世代との二世帯化や資金援助、60代でも審査可能なフラット35の活用(完済時年齢80歳前後)など、世帯状況に応じて選びます。

費用を抑える工夫と使える補助金

老後資金を取り崩しすぎないために、平屋でも費用の掛け方にメリハリをつけます。実務でよく使う工夫は次のとおりです。

  • 延床を欲張らない(20〜22坪に絞る)。屋根・基礎面積を抑えると総額が下がる。
  • 凹凸の少ない総四角形に近いプランにし、屋根・外壁の面積と施工手間を減らす。
  • 水回りを一箇所にまとめて配管をコンパクトにする。
  • 断熱・耐震・バリアフリーなど「後から変えにくい部分」は削らず、内装・建具・造作で調整する。
  • 複数社で同条件の見積もりを取り、標準仕様に含まれるバリアフリー範囲と坪単価を比較する。

省エネ性能を満たせば補助金も活用できます。2026年度は新築の省エネ住宅向けに「みらいエコ住宅2026事業」(GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅が対象)があり、断熱等級を高めた平屋なら対象になり得ます。ヒートショック対策の高断熱化は補助金とも相性がよいため、性能とコストの両面で検討する価値があります。制度の詳細はみらいエコ住宅2026事業で確認してください。

住み替え/建て替えのタイミング

老後を見据えた住み替えや建て替えのタイミングは年代で適正期が分かれます。

50代後半〜60代前半は黄金期です。体力・気力が残り、リフォームや建て替えの判断と実行ができる時期で、退職金支給前後の資金計画も立てやすく、住宅ローン審査も通りやすい段階。65歳前後になると退職後の生活が見えてきますが、ローン審査が厳しくなる(完済時年齢上限の問題)ため、退職金一括支払いまたは現金一括が現実的になります。70代以降は体力的に建て替え期間中の仮住まいが負担になりやすく、リフォームでのバリアフリー化に切り替える選択が現実的です。

タイミング判断の目安として、既存住宅の築年数30年以上でリフォーム費用が1,000万円を超えるなら建て替えか平屋新築が有利、築20年以下ならリフォームで延命するのが効率的です。子供独立で家が広すぎるなら平屋へのダウンサイジング、階段昇降に不安が出始めたなら平屋への住み替えを検討する目安になります。

老後の平屋設計の具体的ポイント

老後の平屋では、各部屋ごとに細かい配慮が長期居住の快適性を左右します。まず、設計段階で押さえておきたいバリアフリーの寸法を早見表にまとめます。

部位推奨寸法・仕様目的
廊下幅85〜90cm以上(車椅子対応は90cm以上)すれ違い・車椅子・介助の通行
室内出入口の有効幅80〜90cm以上・引き戸車椅子の出入り・開閉の負担軽減
玄関上がり框段差15cm以下+手すり・ベンチ昇降時の転倒防止
トイレ・浴室各2畳以上+L字手すり介助スペース・立ち座りの補助
手すり下地廊下・トイレ・浴室・寝室に先行設置後付け追加工事を不要にする
床段差室内は原則ゼロ(フラット)つまずき・転倒の防止
バリアフリーの基本寸法 廊下 90cm 廊下幅 有効85cm 出入口(引き戸) 上がり框 ≤15cm 手すり 約75cm高 玄関まわり
廊下90cm・出入口の有効幅85cm・上がり框15cm以下・手すり高さ約75cmが目安。手すり下地は先行して全室に通しておく。

平屋の間取りは、設備をまとめたI型(一直線)、角を使うL型、中庭を囲むコの字型・ロの字型に大別されます。I型・L型はコストを抑えやすく動線も短い反面、奥行きが出ると中央が暗くなりがちです。コの字・中庭型は採光と通風に優れますが、外壁・屋根の面積が増えて費用は上がります。老後の平屋では、20坪台ならI型・L型で動線を短く、25坪を超えて採光を重視するなら中庭型、と広さと優先順位で選ぶのが現実的です。

玄関は上がり框の段差を低く(15cm以下)抑え、手すりとベンチスペースを設置。屋根付きアプローチで雨天時の足元安全性も確保します。廊下は幅85〜90cm以上、手すり下地を全廊下に通し、床材は滑りにくく音の響きにくい木質系またはクッションフロアを選びます。

トイレは2畳以上の広さでL字手すりを設置、引き戸または外開きドア(緊急時の救出を容易に)とし、寝室から3歩以内に配置するのが理想です。浴室も2畳以上で手すりと滑りにくい床、ヒートショック対策の暖房機を備え、引き戸を採用して洗面所からフラットアクセスできる設計にします。

寝室は8〜10畳、収納を充実させ、寝室からトイレへ直接動線をつなぎます。ベッド配置を見据えた窓とコンセントの位置決めも重要です。LDKは18〜22畳の対面キッチンを中心に、テラスや庭への大開口で外との連続性を確保。収納は子供独立で持ち物の整理が進む前提でも、納戸・パントリー・小屋裏収納で柔軟性を残します。

シニアの一人暮らしに向く平屋(1LDK・15坪前後)

配偶者と死別した後や、もともと単身で終の住処を考える場合は、延床13〜16坪・1LDKのミニマルな平屋が選択肢になります。掃除と冷暖房の負担が小さく、生活のすべてを数歩の範囲に収められるのが利点です。

一人暮らしの平屋 間取り例(15坪・1LDK) LDK 14畳 寝室コーナー 浴室 洗面・洗濯 トイレ 玄関 水回りを一直線に集約し、生活動線を最短化。来客用に和室や納戸を足す余地も。
1LDKでも、寝室コーナーと水回りをLDKに近接させれば数歩で生活が完結する。バリアフリー仕様は夫婦向けと同じ基準で。

一人暮らしでは、緊急時の備え(見守りサービス・センサー・玄関や浴室への通報ボタン)と、来客や将来の同居に備えた可変性(和室や納戸を1室足せる広さ)を持たせておくと安心です。

老後の平屋で備えたい安全性(ヒートショック・転倒)

高齢期の住まいで特に注意したいのが、冬場の入浴中の事故(ヒートショック)と、家庭内での転倒です。いずれも住まいの設計でリスクを大きく下げられます。

  • ヒートショック対策: 脱衣所・浴室・トイレに暖房を設け、居室との温度差を小さくする。浴室は窓を二重サッシ化し、断熱性能を上げる。深夜のトイレ経路にも足元灯を設置する。
  • 転倒対策: 段差をなくし(玄関上がり框は15cm以下+手すり)、廊下・トイレ・浴室・寝室に手すり下地を通す。床は滑りにくい素材にし、コードや敷物の段差をつくらない。
  • 通報・見守り: 浴室・トイレに緊急通報ボタンや人感センサーを設け、離れて暮らす家族や見守りサービスと連携できるようにする。

これらは後付けより、新築・建て替えの設計段階で組み込むほうが費用も収まりがよく、仕上がりも自然です。終の住処としての平屋では、間取りの美しさだけでなく「冬の浴室」「夜のトイレ」という事故が起きやすい場面を具体的に想像して設計することが、長く安全に暮らす鍵になります。

将来の介護・車椅子への備え

元気なうちは不要でも、終の住処では将来の介護・車椅子利用を見据えた「余地」を残しておくと、後の大がかりな改修を避けられます。平屋はワンフロアで段差をなくしやすいため、もともと介護に向く形ですが、次の点を新築時に仕込んでおくと安心です。

  • 廊下・出入口を90cm以上にしておく(車椅子の通行・回転に必要)。最初から広めにすれば、後で壁を壊す工事が不要。
  • 寝室まわりに介助スペースを確保する。ベッドの片側に介助者が立てる余白(60cm以上)を見込んでおく。
  • トイレ・浴室を2畳以上にし、手すり下地を先行設置。後から手すりを増設しても下地があれば簡単。
  • 寝室・トイレ・浴室を近接させ、夜間や介助時の移動距離を短くする。
  • 玄関にスロープを設置できるスペース(または段差解消機の設置余地)を残す。

これらは「いま付ける」のではなく「後で付けられるようにしておく」設計です。介護が必要になってからの改修は、工事中の生活負担も費用も大きくなりがちなので、下地・寸法・スペースだけ先に確保しておくのが、平屋を終の住処にするときの賢い備え方です。後年に改修する場合の費用感はリフォーム費用の相場も参考になります。

平屋の性能(断熱・耐震)とメンテナンス

終の住処は20〜30年と長く住むため、初期の間取り以上に「性能」と「維持費」が暮らしやすさを左右します。

断熱は、ヒートショック対策と光熱費の両面で重要です。断熱等級を高め、窓を樹脂サッシ・複層ガラスにすると、冬の室温差が小さくなり、年金生活の固定費である光熱費も抑えられます。耐震は、平屋は重心が低く2階建てより地震に強い構造ですが、大開口や広いLDKは耐力壁が不足しがちなので、耐震等級3を目標に壁量と配置を確保します。

メンテナンス面では、平屋は屋根・外壁の面積が延床に対して大きく、屋根や外壁の塗り替え・防水は2階建てより費用がかかりやすい点に注意します。一方で、足場が低く点検・修繕がしやすい利点もあります。10年・20年先の外壁塗装や屋根の葺き替えを見込み、メンテナンスのしやすい屋根形状(複雑な段差を避ける)と外装材を選ぶと、老後の出費を平準化できます。

平屋を活かす採光・通風・庭との関係

平屋の弱点は「中央部が暗くなりやすい」ことですが、設計で十分に補えますし、むしろ平屋ならではの庭とつながる暮らしは老後の楽しみになります。

採光は、天窓(トップライト)やハイサイドライト(高い位置の窓)、中庭(コートハウス)で家の奥まで光を届けます。コの字・ロの字に建物を配して中庭を囲めば、外からの視線を気にせず、どの部屋からも光と緑を感じられます。通風も、対面する位置に窓を設けて風の通り道をつくると、冷房に頼りすぎない暮らしになります。

庭との関係では、LDKから段差なくつながるウッドデッキや縁側が、平屋の魅力を引き出します。腰かけて庭を眺める、家庭菜園を楽しむ、孫と遊ぶといった時間が、玄関を出てすぐの距離で叶います。一方で庭の手入れが負担になる年代も来るため、植栽を絞る・宅地内の動線を平坦にする・メンテナンスの少ない外構素材を選ぶなど、「歳をとっても手入れできる庭」にしておくのが長く楽しむコツです。

老後資金とのバランスで予算を決める

老後の家づくりで最も避けたいのは、住宅にお金をかけすぎて生活資金が細ることです。現役時代の家づくりと違い、これからは収入が年金中心になり、医療・介護の備えも必要になります。

考え方の順番は、まず老後の生活費・医療介護の備え・予備資金を確保し、そのうえで「住宅にいくらまで出せるか」の上限を先に決めることです。退職金を全額住宅に充てるのではなく、生活防衛資金として一定額を残します。住宅ローンを使う場合も、年金収入で無理なく返せる範囲(月返済額を年金月額の2〜3割以内など)に抑えます。光熱費・固定資産税・将来の修繕費といった「建てた後の固定費」も平屋は屋根・外壁の面積が大きいぶん見落とせません。断熱性能を上げて光熱費を抑える、メンテナンスのしやすい仕様にするといった工夫が、長い老後の家計を助けます。

「いくらの家を建てられるか」ではなく「老後の家計を守りながら、いくらまで住宅に出してよいか」から逆算するのが、終の住処の予算決めの基本です。

シニアの平屋づくりでよくある後悔と、その対策を整理します。

  • 広く建てすぎた: 子供部屋まで備えて延床が増え、掃除と冷暖房の負担が重い。→ 現在の二人(または一人)の暮らしを基準に、来客は和室1室や可変間取りで対応する。
  • 中央が暗い・暑い: 真四角の大きな平屋は中央部の採光・通風が不足。→ 中庭・天窓・ハイサイドライトを計画に入れる。
  • 防犯が不安: 窓が多く、すべて1階で侵入経路になりやすい。→ 雨戸・シャッター、センサー照明、見通しのよい外構で補う。
  • 老後資金を使いすぎた: 住宅にかけすぎて生活資金が細る。→ 退職金・年金・医療介護の備えとのバランスで予算上限を先に決める。
  • バリアフリーが中途半端: 手すりや段差解消を一部だけにして後で追加工事。→ 手すり下地・廊下幅・引き戸を最初から標準化しておく。

後悔の多くは「いま」ではなく「10年後・20年後」の体力・家計・身体状況を想像しきれずに起きます。シニア平屋の実績が多い会社ほど、こうした失敗パターンと対策の引き出しを持っているため、複数社のプランを比較して具体策を引き出すのが近道です。

老後の平屋でおすすめのハウスメーカー・工務店

シニア向け間取り対応の大手としては、積水ハウス・住友林業・三井ホーム・パナソニックホームズ・ヘーベルハウスなどが、バリアフリー・断熱・耐震の総合設計でシニア層への提案実績を持ちます。コンパクト平屋特化のローコスト路線では、タマホーム・アエラホーム・アイダ設計・レオハウスなどが、延床20〜25坪のコンパクト平屋を1,500〜2,000万円台で建てられるラインナップを揃えています。

会社のタイプ別に、坪単価と向き不向きの傾向を整理すると次のようになります。

タイプ坪単価の目安向いている人
大手ハウスメーカー80〜110万円断熱・耐震・保証の総合力と安心感を重視
ローコスト・規格系50〜70万円延床を抑え、総額を最優先で抑えたい
地場工務店・建築家60〜90万円土地条件に合わせた自由設計・地域気候対応を重視

地場工務店や建築家との連携による自由設計平屋も選択肢になります。土地形状や敷地条件に合わせたオーダーメイド設計が可能で、地域の気候特性に合わせた断熱仕様も組み込みやすいのが強みです。シニア向けの平屋は「バリアフリーをどこまで標準採用しているか」が会社で差が出るため、手すり下地・段差解消・引き戸・廊下幅などが標準仕様か、オプション扱いかを見積もり時に必ず確認します。

複数社で同条件の見積もりを取り、坪単価・バリアフリー仕様の標準採用範囲を比較するのが実用的です。詳しい比較軸はハウスメーカー比較の進め方、平屋の費用詳細は平屋注文住宅の費用相場で整理しています。

老後の終の住処として平屋を建てるなら、バリアフリー・耐震・断熱の総合設計を提案できる会社の比較が近道です。家づくりの一括資料請求サービスを使えば、シニア向け平屋対応のハウスメーカー・工務店から間取りプラン・坪単価・資金計画書を無料でまとめて取り寄せられます。

よくある質問

60代から平屋に住み替えるのは遅いですか。 60代前半は住み替え・建て替えのまだ黄金期です。体力・気力が残り、ローン審査も通りやすい時期。65歳以降は完済時年齢上限(80歳前後)の影響でローン審査が厳しくなりますが、退職金一括・現金一括なら問題ありません。70代以降は仮住まいの負担を考えてリフォームに切り替える判断が現実的です。
老後の平屋に必要な延床は何坪ですか。 夫婦二人暮らしなら延床20〜25坪が動線・掃除・暖房効率のいずれも有利。子供との同居がない前提なら、無理に大きく建てない判断が現実的です。趣味スペース・来客スペースを別途確保したい場合は延床28〜32坪も選択肢。逆に延床40坪以上の大邸宅は管理負担が増えるためおすすめできません。
老後の平屋の予算はいくらですか。 延床20〜25坪の平屋なら建物総額1,500〜2,500万円、延床30坪なら2,200〜2,800万円が目安です。土地ありなら退職金・貯蓄で現金一括も射程。土地から探す場合は土地代を加算した総額3,000〜4,500万円(地方都市)、4,000〜6,000万円(首都圏郊外)が現実的です。
老後の平屋でバリアフリー対応はどこまで必要ですか。 建てる時点での標準仕様としては、段差解消(玄関上がり框・浴室入口・部屋境界)、廊下幅85〜90cm以上、手すり下地全廊下、引き戸採用、トイレ・浴室2畳以上、寝室→トイレ直接動線が現実的。将来の車椅子対応(廊下90cm以上・部屋出入口90cm以上・スロープ設置スペース確保)まで備えるとさらに安心です。
60代でフラット35は借りられますか。 フラット35は完済時年齢80歳以下が条件のため、60〜65歳でも借入は可能です(60歳なら20年返済、65歳なら15年返済)。返済期間が短くなるため月返済額が増える点、団体信用生命保険(団信)の保険料が高くなる点に注意。退職金一括または貯蓄活用との組み合わせが現実的です。
老後は平屋と2階建て、どちらがいいですか。 階段の昇降が将来の負担になる点を重視するなら平屋が有利です。ワンフロアで生活が完結し、転倒・昇降事故のリスクが小さく、車椅子にも対応しやすくなります。一方、敷地が狭い・建ぺい率が厳しい・延床を広く取りたい場合は2階建て(または1階で生活が完結する「平屋的2階建て」)が現実的なこともあります。土地の広さと、夫婦の体力・健康の見通しで選ぶのが基本です。
平屋は防犯面が心配と聞きますが対策は。 平屋はすべての窓・掃き出し口が地上階にあるため、侵入経路が増えやすいのは事実です。対策として、雨戸・シャッターや防犯ガラス、人感センサー照明、見通しを妨げない外構計画、道路から死角になる位置に大きな開口を設けない配置が有効です。留守がちな時間帯にタイマー照明を使う、宅配ボックスで在宅を装わないなどの運用面の工夫も組み合わせます。
老後の平屋で人気の坪数はどのくらいですか。 夫婦二人暮らしでは延床20〜25坪・2〜3LDKが最も選ばれる範囲です。掃除・冷暖房・暖房効率のバランスがよく、国の居住面積水準(2人世帯の誘導水準75㎡=約22.7坪)ともおおむね合致します。趣味室や客間を加えたい場合は25〜28坪、来客や在宅介助まで見込むなら30坪前後が目安です。一人暮らしなら13〜16坪・1LDKが管理しやすい広さになります。
平屋は寒い・暑いと聞きますが大丈夫ですか。 平屋は屋根面積が広いため、断熱が不十分だと屋根からの熱の出入りで夏暑く冬寒くなりがちです。逆に言えば、断熱等級を高め、天井・屋根の断熱と窓の樹脂サッシ・複層ガラスをしっかり施せば、ワンフロアで温度差の小さい快適な住まいになります。ヒートショック対策の観点でも高断熱化は重要で、光熱費の抑制にもつながるため、終の住処では性能にお金をかける価値が高い部分です。
老後の平屋を建てるなら、バリアフリー対応・断熱・耐震の総合実績がある会社の比較が近道です。家づくりの一括資料請求サービスでは、シニア向け平屋対応のハウスメーカー・工務店から間取りプラン・坪単価・資金計画書を無料でまとめて取り寄せられます。

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