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注文住宅

長崎で注文住宅を建てる費用相場2026|坪単価55〜75万円・長崎市・佐世保・諫早の人気エリア

長崎県で注文住宅を建てる場合、長崎市(県庁所在地)・佐世保市・諫早市・大村市・島原市が主要な選択肢です。長崎市は急傾斜地が多く、注文住宅の設計に独自の制約がある一方、海と山に挟まれた景観が魅力です。

長崎県の注文住宅の坪単価相場

エリア坪単価レンジ延床35坪の本体価格目安
長崎市中心60〜75万円2,100〜2,625万円
佐世保市・諫早市・大村市55〜70万円1,925〜2,450万円
島原市・五島市・対馬市50〜65万円1,750〜2,275万円
県内郡部45〜60万円1,575〜2,100万円

長崎市の住宅は傾斜地対応で擁壁工事や地盤改良費が追加されることが多く、平地に建てる場合より総額が高めになる傾向があります。総額は本体価格の1.3〜1.5倍が目安です。

長崎県の市区別の坪単価(実際の取引データ・土地1坪あたり)

坪単価を調べると、サイトによって数字が大きく違います。出所が書かれていないことも多く、何と比べているのか分からないまま予算を組むことになります。

ここでは国土交通省の不動産情報ライブラリから、2024年に長崎県内で実際に成約した取引の坪単価を市区別に示します。長崎県全体では1,222件が集計対象で、中央値は21.3万円/坪です。

長崎県の市区別 取引坪単価(土地1坪あたり・2024年の中央値・万円) 戸建て(建物込み) 土地のみ 出典 国土交通省 不動産情報ライブラリ 西彼杵郡長与町 36 大村市 33 東彼杵郡波佐見町 32 長崎市 28 西彼杵郡時津町 26 佐世保市 23 東彼杵郡東彼杵町 23 諫早市 22 北松浦郡佐々町 20 東彼杵郡川棚町 9 壱岐市 5 平戸市 5 島原市 4 雲仙市 4 いずれも土地1坪あたりの成約価格。建築費の坪単価とは分母が違う

戸建て(建物込み)の坪単価が高い順に20市区を並べたものです。戸建ては建物込みの成約価格、土地は土地だけの成約価格を、いずれも土地1坪あたりに換算しています。

市区戸建て(建物込み)件数土地のみ件数
西彼杵郡長与町36.1万円5722.6万円25
大村市33.1万円11811.2万円119
東彼杵郡波佐見町32.1万円126.3万円6
長崎市28万円37915.5万円156
西彼杵郡時津町26.2万円2418.8万円19
佐世保市23.3万円28413.9万円134
東彼杵郡東彼杵町22.6万円51.5万円6
諫早市22万円14213.2万円114
北松浦郡佐々町19.8万円57.6万円9
東彼杵郡川棚町8.8万円137.8万円10
壱岐市5.2万円91.7万円15
平戸市5万円161.8万円20
島原市4.5万円355.3万円39
雲仙市4.1万円173万円46
松浦市3.4万円76.3万円4
西海市3.4万円201.7万円19
五島市3万円254万円25
南島原市2.8万円242.1万円10
北松浦郡小値賀町1.7万円20.1万円1
南松浦郡新上五島町1.7万円213.2万円16

戸建て(建物込み)では、最も高い西彼杵郡長与町36.1万円と最も低い対馬市0.9万円で40.1倍の差があります。土地だけで見ると、取引10件以上の市区に限って西彼杵郡長与町22.6万円・壱岐市1.7万円で13.3倍です。土地代そのものを比べるときは、右の「土地のみ」の列を見てください。

件数の少ない市区の数値は、中央値でも動きやすい点に注意してください。全21市区のうち、取引が100件を超えるのは4市区です。

件数の少ない市町の数字は、そのまま信じない

長崎県は市町の数が21あり、そのうち取引が多いのは一部です。2024年の戸建て取引を件数で分けると、次のようになります。

年間の取引件数該当する市町の数該当する市町
100件以上4長崎市・佐世保市・諫早市・大村市
30〜99件2西彼杵郡長与町・島原市
10〜29件9時津町・五島市・南島原市ほか
10件未満6対馬市・壱岐市・松浦市ほか

21市町のうち15市町は、年間の戸建て取引が30件を切ります。 月に2〜3件しか動いていない計算です。

この規模だと、中央値であっても数字は動きます。たまたま条件のよい物件が1件出ただけで中央値が上がり、翌年には戻る、ということが起こります。対馬市の戸建て0.9万円/坪という数字も、7件の取引から出たものです。実際にそのくらいの土地があるのは確かですが、「対馬なら0.9万円で買える」と読むのは行き過ぎです。

数字を読むときの目安はこうなります。

  • 100件以上の4市(長崎・佐世保・諫早・大村)。中央値をそのまま予算の基準に使えます
  • 30〜99件の2市町。傾向として使えますが、幅を持たせて見ます
  • 30件未満の15市町。方向性だけを見て、実際の予算は現地の不動産会社に確認します

離島や郡部で建てる予定なら、統計より先に現地で売り出し中の土地を見たほうが早く、確実です。 取引が少ない地域は、そもそも市場に出ている物件が限られます。

「坪単価」は3つある。分母が違うので混ぜて比べられない

上の表の数字と、ハウスメーカーが示す坪単価は、そのまま比べられません。割っている面積が違うためです。

同じ「坪単価」でも、割っている面積が違う 3つを並べて比べても意味がない。どれの話かを先に確かめる 建築費の坪単価 本体工事費 ÷ 延床面積 ハウスメーカーの広告や見積書 戸建ての取引坪単価 成約総額(建物込み)÷ 土地面積 実際に売買された価格 土地の取引坪単価 土地の成約価格 ÷ 土地面積 土地だけを買うときの相場 分母:上は延床面積、下2つは土地面積

建築費の坪単価は、本体工事費を延床面積で割ります。ハウスメーカーの広告や見積書に出てくるのはこれです。

一方、上の表の坪単価は、成約価格を土地面積で割った値です。土地が狭く建物が大きい都心の物件ほど高く出ます。西彼杵郡長与町の36.1万円は「西彼杵郡長与町で家を建てると坪36万円かかる」という意味ではありません。

この2つを混同すると、予算が数百万円単位でずれます。 坪単価という言葉を見たら、まず分母を確かめてください。

長崎県で実際に注文住宅を建てた人のデータでは、建築費の坪単価は次のようになります。住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2024年度)の集計です。

区分件数建設費住宅面積建築費の坪単価世帯年収
注文住宅(土地は所有)373,832万円35.9坪106.6万円677.1万円
土地付注文住宅693,347万円33.3坪100.5万円631.8万円

土地付注文住宅では土地取得費が平均996.3万円かかり、総額は4,343.7万円になります。フラット35の利用者には断熱・耐震などの性能仕様が高い住宅が多く、集計の対象が違うため、一般に言われる坪単価より高めに出ます。

同じ市区の中でも、町丁目で坪単価は数倍変わる

市区の中央値は目安にすぎません。町丁目の単位で見ると、同じ市区の中でも差が大きく開きます。取引が10件以上あった町丁目に絞ると、長崎県内11地区で次の並びになります。

高い順坪単価件数
佐世保市 日野町59.6万円10
西彼杵郡長与町 嬉里郷53.9万円14
佐世保市 黒髪町50.1万円16
大村市 富の原49.6万円11
佐世保市 花高40万円11
低い順坪単価件数
佐世保市 天神13.8万円12
長崎市 つつじが丘16.6万円10
長崎市 滑石21.4万円11
西彼杵郡長与町 高田郷29.4万円13
大村市 諏訪33.1万円11

上位に並ぶのは駅前や商業地に隣接する地区で、店舗や事業用の用地が取引に含まれるとみられます。この表は住宅用地の相場ではなく、地区による開きの大きさを示すものとして見てください。

上位の地区はいずれも取引が10件台と少なく、中央値も安定しません。佐世保市日野町は同じ10件のなかで最も低い取引が11.3万円/坪、最も高い取引が102.2万円/坪で、9.0倍の開きがあります。

土地を探すときは市区ではなく、候補の町丁目まで絞って相場を見てください。

地価は長崎県のどこで動いているか

2026年の地価公示のうち、戸建ての取引データもある長崎県内20市区で見ると、11市区の住宅地が前年比プラスでした。上位は次のとおりです。

市区住宅地の前年比
大村市+3.66%
諫早市+2.90%
北松浦郡佐々町+2.73%
佐世保市+2.14%
西彼杵郡時津町+2.08%
西彼杵郡長与町+1.58%
長崎市+1.30%
東彼杵郡波佐見町+0.73%
東彼杵郡川棚町+0.47%
平戸市+0.42%

これは市区ごとの調査地点の平均で、個別の土地が同じ率で動くことを示すものではありません。

建物の仕様は着工の直前まで調整できますが、土地は条件に合うものが出たときにしか買えません。総予算を組むときに土地の予算を先に決めておくと、候補が出たときに判断しやすくなります。

予算から逆算する。長崎県のどこなら建てられるか

ここまでの数字を組み合わせると、予算から住むエリアを絞り込めます。土地40坪を買い、フラット35の長崎県平均にあたる33.3坪の家を建てた場合の総額です。建設費3,347万円は県平均なので全市区共通とし、差は土地代だけで出しています。

土地40坪+建物を建てた場合の総額(万円) 建設費 3,347万円(県平均・共通) 土地代(40坪ぶん) 土地=2024年の実取引中央値/建設費=フラット35 2024年度 北松浦郡小値賀町 3,351 東彼杵郡東彼杵町 3,407 壱岐市 3,415 西海市 3,415 平戸市 3,419 南島原市 3,431 対馬市 3,487 五島市 3,507 島原市 3,559 東彼杵郡波佐見町 3,599 大村市 3,795 諫早市 3,875 佐世保市 3,903 長崎市 3,967 西彼杵郡時津町 4,099 西彼杵郡長与町 4,251 建物の予算が同じでも、市区が変われば総額は大きく動く
市区土地40坪建設費総額
北松浦郡小値賀町4万円3,347万円3,351万円
東彼杵郡東彼杵町60万円3,347万円3,407万円
壱岐市68万円3,347万円3,415万円
西海市68万円3,347万円3,415万円
平戸市72万円3,347万円3,419万円
南島原市84万円3,347万円3,431万円
対馬市140万円3,347万円3,487万円
五島市160万円3,347万円3,507万円
島原市212万円3,347万円3,559万円
東彼杵郡波佐見町252万円3,347万円3,599万円
大村市448万円3,347万円3,795万円
諫早市528万円3,347万円3,875万円
佐世保市556万円3,347万円3,903万円
長崎市620万円3,347万円3,967万円
西彼杵郡時津町752万円3,347万円4,099万円
西彼杵郡長与町904万円3,347万円4,251万円

この表は土地代と建設費を足しただけの概算で、付帯工事費・外構・地盤改良・諸費用・仲介手数料は含みません。住める状態にするまでの実際の支払いは、ここから1〜2割上振れします。

同じ家を建てても、北松浦郡小値賀町と西彼杵郡長与町では900万円違います。建物にかける予算より、どの市区で土地を買うかのほうが総額を大きく動かします。

土地を狭くする選択もあります。土地面積を減らせばそのぶん総額は下がりますが、狭小地は仮設や運搬の手間で付帯工事費が上がるため、坪単価どおりには収まらない点を見込んでおいてください。

長崎市・長与町・大村市・諫早市をどう選び分けるか

長崎県で土地から探す人の候補は、実際にはこの4つに集約されます。それぞれ性格が違うので、数字を並べて整理します。

戸建て中央値土地中央値2024年の取引件数住宅地の地価前年比
長崎市28.0万円15.5万円戸建て379・土地156+1.30%
西彼杵郡長与町36.1万円22.6万円戸建て57・土地25+1.58%
大村市33.1万円11.2万円戸建て118・土地119+3.66%
諫早市22.0万円13.2万円戸建て142・土地114+2.90%

読み取れることが3つあります。

長崎市は「安いが手がかかる」

土地の中央値15.5万円は長与町の22.6万円より安く、流通量も土地156件と県内最多です。選択肢が多く、価格も抑えられます。ただし斜面地が多いぶん、造成費が乗る前提で見ておく必要があります。土地の値段だけで比べると、実際の負担を見誤ります。

長与町は「高いが少ない」

戸建て36.1万円・土地22.6万円で県内最高水準にもかかわらず、取引件数は戸建て57件・土地25件と多くありません。長崎市に隣接し、平地が得やすいエリアです。取引そのものが少ないため、条件に合う土地が出る頻度は高くありません。

大村市と諫早市は「土地が安く、流通も多い」

大村市は土地11.2万円で長与町の半分以下、しかも土地の取引が119件あり戸建て118件とほぼ同数です。諫早市も土地13.2万円・114件で同じ傾向です。この2市は、土地だけの取引が戸建ての取引とほぼ同数あるという点で県内でも特徴的です。

一方で、地価の前年比は大村市+3.66%・諫早市+2.90%と県内で最も上がっています。土地の予算を組むときは、この水準で動いていることを前提に見ておいてください。

土地から探して建てるなら、県央部(大村市・諫早市)が最も選択肢が広く、長崎市は造成費を見積もってから判断する、というのが数字が示している順番です。

年収別に見る長崎県の家づくり予算

家づくりの予算は、無理なく返せる住宅ローンの額から逆算するのが基本です。フラット35の長崎県の利用実績では、注文住宅を建てた世帯年収の平均は677.1万円、土地付注文住宅では631.8万円でした。

世帯年収借入の目安月々返済の目安
400万円2,600〜2,800万円8.3〜9.0万円
500万円3,300〜3,500万円10.6〜11.2万円
600万円3,900〜4,200万円12.5〜13.5万円
700万円4,600〜4,900万円14.8〜15.7万円
800万円5,200〜5,600万円16.7〜18.0万円
900万円5,900〜6,300万円18.9〜20.2万円

借入の目安は、返済負担率を年収の25%以内、35年返済で試算したものです。月々返済は全期間固定1.8%を想定しています。自己資金を加えた額が実際の予算になります。

長崎県で土地から探す場合、フラット35の利用者は総額4,343.7万円・世帯年収631.8万円が平均です。土地取得費が平均996.3万円と大きいため、建物より先に土地の予算を決めるほうが総額のぶれは小さくなります。

長崎で注文住宅を建てる費用の内訳

総額は建物本体だけでなく、付帯工事や諸費用を合わせて考えます。フラット35の長崎の平均(住宅面積33.3坪・建設費3,347.4万円)を目安にすると、費用構成は次のようになります。

費用項目目安内容
建物本体工事費総額の7割前後基礎・構造・内外装・標準設備
付帯工事費200〜600万円地盤改良・擁壁・造成・給排水引込・解体など
諸費用総額の8〜12%登記・住宅ローン手数料・火災保険・税金
土地取得費平均996.3万円平地の郊外と斜面地・離島で大きく差がつく

長崎で土地から探した人の総額は平均4,343.7万円で、うち土地取得費は996.3万円でした。総額に占める土地の割合は23%で、神奈川県の43%・京都府の36%と比べて低い水準です。

土地が安いぶん、長崎では建物と造成に予算を配分しやすくなります。ただし長崎市の斜面地では擁壁や造成の費用が数百万円単位で乗るため、土地の安さがそのまま総額の安さになるとは限りません。土地の価格を見るときは、同じ敷地で造成にいくらかかるかを必ずセットで確認してください。 費用構成の詳しい内訳は家を建てる費用(土地あり)で整理しています。

長崎は県庁所在地が最も高いわけではない

他県では県庁所在地が坪単価の最上位になることが多いのですが、長崎県は違います。2024年の実取引では、長崎市28.0万円/坪に対し、西彼杵郡長与町が36.1万円、大村市が33.1万円と長崎市を上回っています。

市町戸建て坪単価件数土地のみ地価の前年比
西彼杵郡長与町36.1万円5722.6万円+1.58%
大村市33.1万円11811.2万円+3.66%
長崎市28.0万円37915.5万円+1.30%
西彼杵郡時津町26.2万円2418.8万円+2.08%
佐世保市23.3万円28413.9万円+2.14%
諫早市22.0万円14213.2万円+2.90%

長崎市は市街地が斜面に広がり、平坦で建てやすい宅地が限られます。長与町・時津町は長崎市に隣接する平地で、大村市は長崎空港と高速道路のアクセスを持ちます。地価の前年比でも大村市+3.66%・諫早市+2.90%と、県央部が県内で最も動いています。

注文住宅を建てる土地を探すなら、長崎市内にこだわらず県央部まで候補を広げるほうが、平坦で造成費のかからない敷地に出会いやすくなります。 通勤時間と造成費の兼ね合いで判断してください。市町ごとの取引価格は長崎県の土地・戸建て坪単価ランキング、地点別の地価は長崎県の地価ランキングで確認できます。

離島と本土で相場は10倍以上開く

長崎県は離島が多く、本土との差が他県にない規模で出ます。

地域戸建て坪単価件数地価の前年比
壱岐市5.2万円90.00%
平戸市5.0万円16+0.42%
五島市3.0万円25-1.80%
南松浦郡新上五島町1.7万円21-0.46%
対馬市0.9万円7+0.15%

最も高い長与町36.1万円と対馬市0.9万円では40倍の開きがあります。ただし件数はいずれも一桁から20件台で、中央値でも動きやすい数字です。

離島で建てる場合、土地は安く済んでも建築費は下がりません。資材の輸送費と職人の移動費が乗るため、本土より建築費が高くなることがあります。地価が下がっている島もあるので、将来売ることを前提に考えるなら、土地の安さより建てたあとの資産性を先に確認してください。

長崎で人気のエリア

主要5市の人口と、2024年の実取引の坪単価を並べます。

人口戸建て坪単価土地のみ取引件数特徴
長崎市401,00028.0万円15.5万円379県庁所在地。市街地が斜面に広がり、平坦な宅地は限られる
佐世保市243,00023.3万円13.9万円284県北部の中心。造船と基地に関連する雇用がある
諫早市133,00022.0万円13.2万円142長崎市と大村市の中間。県内の交通結節点
大村市96,00033.1万円11.2万円118長崎空港と高速のアクセス。地価の前年比は県内最大の+3.66%
島原市43,0004.5万円5.3万円35県東部。地価は前年比-0.78%と下落

取引件数を見ると、長崎市379件・佐世保市284件・諫早市142件で県内の売買はこの3市に集中しています。 大村市は118件と数は少ないものの、坪単価と地価上昇率がいずれも県内上位で、いま最も動いているエリアです。

島原市の坪単価4.5万円は、県内でも本土側では最も低い水準です。2024年は戸建て(建物込み)35件に対し、土地のみが39件と、建物付きより土地の売買が多い構成でした。既存の家を建て替える前提なら、土地の取得費を大きく抑えられます。

フラット35データで見る長崎の建築費と総額

実際に長崎県で家を建てた人の費用は、住宅金融支援機構の調査で確認できます。2024年度のフラット35利用者調査では、長崎県の平均は次のとおりです。

区分件数建設費住宅面積建築費の坪単価土地取得費所要資金
注文住宅(土地は所有)373,831.5万円35.9坪106.6万円3,831.5万円
土地付注文住宅693,347.4万円33.3坪100.5万円996.3万円4,343.7万円

土地付注文住宅の所要資金は全国平均が5,007万円なので、長崎県は663万円ほど低い水準です。 差の大半は土地取得費で、長崎の996.3万円に対し全国は土地の比重がもっと大きくなります。

所要資金4,343.7万円のうち土地取得費が996.3万円で、残りの3,347.4万円が建設費です。総額に占める土地の割合は約23%で、土地の負担が比較的軽い県です。

世帯年収の平均は土地付で631.8万円、土地ありで677.1万円でした。土地の負担が軽いぶん、同じ年収でも建物や性能に配分しやすい県といえます。

予算ケース別の長崎の家づくり例

土地の有無と建てるエリアで、総額は大きく変わります。ここまでの数字をもとに、代表的な3つのケースを整理します。

  • ケース1(土地あり・建物のみ)。すでに土地を持っている場合、建物本体と付帯・諸費用で約3,832万円。フラット35の長崎の注文住宅がこの水準です
  • ケース2(県央部で土地から探す)。大村市・諫早市で土地50坪なら土地代は560〜660万円。建設費と合わせて約4,000〜4,300万円が目安です
  • ケース3(長崎市の斜面地)。土地は安く見えても擁壁・造成で数百万円が乗ります。同じ建物でもケース2より300〜600万円上振れすることがあります

土地の価格だけで比べると判断を誤ります。造成費まで含めた「建てられる状態にするまでの金額」で並べてください。

長崎で家を建てる会社の選び方

長崎で注文住宅を建てるとき、会社選びの判断軸は他県と少し違います。斜面地と台風という2つの条件が、どの会社でも同じように扱えるわけではないためです。

確認したいのは次の4点です。

確認すること何を見るか見極めの目安
斜面地の施工実績擁壁の設計、土留めの工法、既存擁壁を再利用できるかの判断現地を見た段階で造成費の概算を出せる
耐風性能屋根の固定方法、シャッターの採否、外壁の耐風圧性能仕様書に数値で書かれている
塩害対策金物の防錆グレード、設備・外構の仕様メンテナンス周期まで説明がある
アフター点検の範囲点検の頻度と、対応できるエリア建てる場所まで点検に来られる

斜面地と台風は長崎ならどこでも関わります。沿岸部・離島で建てるなら、塩害対策とアフター点検の2つを追加で確認してください。

同じ予算・同じ敷地条件で3社以上に見積もりを取ると、造成費の見立てに会社ごとの差が出ます。 その差がそのまま経験値の差になっていることが多く、金額の安さだけで選ぶと着工後の追加費用につながります。

長崎県内で建設業許可を持つ事業者の数は長崎県の工務店の数と分布で確認できます。

長崎で土地を探すときの順番

土地が安い県では、土地を先に決めて建物を後から調整する進め方が向きます。長崎は総額に占める土地の割合が23%で、神奈川県の43%より低いためです。

進める順番はこうなります。

長崎で土地を探すときの順番 濃い枠の3・4を飛ばすと、坪単価の順位で判断を誤る 1 通勤・通学の許容時間を決める 長崎市内か、長与・時津・大村まで広げるか 2 候補エリアの取引価格を確認する 市町別の表と坪単価ランキングで見当をつける 3 敷地の高低差と擁壁の有無を見る 斜面地なら造成の見積もりを取ってから判断 4 土地代と造成費を足して並べ替える ここで坪単価の順位が入れ替わる 5 残った予算で建物の仕様を決める 長崎は断熱・耐風に配分しやすい
  1. 通勤・通学の許容時間を決める。長崎市内か、長与・時津・大村まで広げるかで候補地が変わります
  2. 候補エリアの取引価格を確認する。上の市町別の表と長崎県の土地・戸建て坪単価ランキングで相場の見当をつけます
  3. 敷地の高低差と擁壁の有無を見る。平地なら造成費は抑えられます。斜面地なら見積もりを取ってから判断します
  4. 土地代と造成費を足した額で候補を並べ替える。坪単価の順位と、実際に建てられる状態にするまでの金額の順位は入れ替わります
  5. 残った予算で建物の仕様を決める。長崎は土地の負担が軽いぶん、断熱・耐風の性能に配分しやすくなります

土地の価格だけを見て順位をつけると、造成費で逆転します。 3番と4番を飛ばさないでください。

長崎で対応するハウスメーカー・地場工務店

全国対応の大手(長崎県内に支店・展示場あり): 積水ハウス、大和ハウス、住友林業、セキスイハイム、ミサワホーム、ヘーベルハウス、パナソニックホームズ、三井ホーム、一条工務店、タマホームなど。

地場ビルダー: 九州エリアの地場工務店多数(長崎の傾斜地対応に経験値のある会社が多い)。比較軸はハウスメーカー比較の進め方で整理しています。

長崎で家を建てるときのリスク

傾斜地対応: 長崎市は急傾斜地が多く、擁壁工事(50〜300万円追加)、土砂災害警戒区域の確認が必須です。地場工務店は傾斜地対応の経験値で強みがあります。

この費用は坪単価の差を打ち消す規模です。長崎市の土地は15.5万円/坪で、長与町22.6万円より坪7万円安く見えます。50坪なら土地代の差は355万円ですが、擁壁に300万円かかれば差はほとんど残りません。斜面地の土地を検討するときは、擁壁と造成の見積もりを取ってから平地の候補と比べてください。

地震・津波リスク: 雲仙断層群・橘湾断層帯への対策が必要。沿岸部で津波想定があります。耐震等級3が基本の備えです。

台風対策: 長崎県は台風常襲地域で、暴風雨対策(雨戸・シャッター、外壁の耐風性)が標準的に組み込まれます。

火山リスク: 雲仙岳周辺は火山リスクエリア、降灰・避難動線の確認が必要です。

長崎の地形と気候が家づくりの費用を左右する

長崎県は、土地の価格そのものより「その土地に建てられる状態にするまでの費用」で総額が動きます。理由は3つあります。

斜面地が多い

長崎市は市街地の大半が斜面に張りついた地形です。平地が限られるため、住宅地の多くが高低差を抱えています。傾斜のある敷地では、擁壁の新設や既存擁壁の補修、土留め、造成が必要になり、平地なら不要な費用が乗ります。

土地だけの取引で見ると、長崎市の中央値は15.5万円/坪で、長与町の22.6万円/坪より安くなっています。ただし坪単価が安くても、造成費を足した取得費では順序が変わることがあります。土地を比べるときは、坪単価ではなく「造成費込みの取得費」で並べ替えてください。

台風の常襲地域である

長崎県は毎年のように台風の進路に入ります。屋根材の固定方法、シャッターや雨戸の採用、外壁の耐風圧性能は、他県より一段上の仕様を求めたほうが安全です。標準仕様で足りるのか、オプションになるのかは会社によって違うので、見積もりの段階で仕様書に落として比較します。

島と沿岸部が多く塩害を受ける

県土の多くが海に面し、人が住む島も多い県です。沿岸部では金物・設備・外構の腐食が内陸より早く進みます。防錆グレードの高い金物を使うか、メンテナンス周期を短く見ておくかのどちらかになります。

火山リスクのあるエリアがある

島原半島には雲仙岳があります。1990年から1996年にかけての噴火では火砕流が発生し、大きな被害が出ました。島原市・南島原市・雲仙市で土地を探す場合は、自治体が公表する火山ハザードマップで対象区域を確認してから候補を絞ってください。

長崎で会社を選ぶときに見るべきなのは、坪単価の安さではなく、この4つの条件を織り込んだ見積もりを最初から出せるかどうかです。 現地を見ずに概算だけ出す会社は、着工後に追加費用が出やすくなります。

長崎で注文住宅を建てるときは、傾斜地対応・台風常襲への備え・火山リスクを踏まえた会社選びが大切です。家づくりの一括資料請求サービスを使えば、長崎県対応のハウスメーカー・地場工務店から間取りプラン・耐震/耐風仕様・見積もりを無料でまとめて取り寄せられます。

よくある質問

長崎市と大村市では、どちらが土地を買いやすいですか。 土地だけの取引で比べると、長崎市の中央値は15.5万円/坪、大村市は11.2万円/坪で、大村市のほうが安くなります。ただし流通量は長崎市156件・大村市119件でどちらも県内上位です。判断が分かれるのは造成費で、長崎市は斜面地が多く擁壁や土留めの費用が乗ることがあり、平地の得やすい大村市より総額が上がる場合があります。土地の坪単価ではなく、造成費を含めた取得費で比べてください。なお地価の前年比は大村市+3.66%・長崎市+1.30%で、大村市のほうが上昇しています。
離島(対馬・壱岐・五島)の坪単価が極端に安いのはなぜですか。 実際に土地の価格が本土より低いことに加えて、取引件数が少ないため数字が動きやすいという事情があります。2024年の戸建て取引は対馬市7件、壱岐市9件で、いずれも月1件に満たない水準です。この件数では中央値でも1件の影響が大きく出ます。離島で土地を探すなら、統計の数字は方向性の確認にとどめ、実際の予算は現地の不動産会社に売り出し中の物件を確認してから組んでください。建築費についても、資材の輸送費が本土より上乗せされることがあります。
サイトによって長崎県の坪単価が違うのはなぜですか。 割っている面積が違うためです。ハウスメーカーが示す坪単価は本体工事費を延床面積で割った値、不動産サイトの坪単価は成約価格を土地面積で割った値です。長崎県では前者がフラット35の集計で100.5万円、後者が西彼杵郡長与町で36.1万円と、同じ「坪単価」でも大きくずれます。数字を見たら、まず分母がどちらかを確認してください。
長崎県で土地が安い市区はどこですか。 2024年の実取引では、北松浦郡小値賀町が土地0.1万円/坪、東彼杵郡東彼杵町が土地1.5万円/坪、壱岐市が土地1.7万円/坪、西海市が土地1.7万円/坪の順です。ただし件数が少ない市区は中央値でも動きやすく、住宅を建てられる土地かどうかは用途地域と接道条件を個別に確認してください。
予算5,000万円なら長崎県のどこに建てられますか。 土地40坪と33.3坪の家(建設費は長崎県の平均3,347万円)で試算すると、北松浦郡小値賀町3,351万円、東彼杵郡東彼杵町3,407万円、壱岐市3,415万円、西海市3,415万円、平戸市3,419万円が5,000万円以内に収まります。都市部で土地から探す場合は、土地を40坪より小さくするか自己資金を厚く積む前提になります。
長崎で注文住宅を建てる場合の坪単価は。 2026年5月時点で、長崎市中心で坪60〜75万円、佐世保・諫早・大村で坪55〜70万円、島原・五島・対馬で坪50〜65万円が目安です。長崎市は傾斜地対応で擁壁・地盤改良費が追加されることが多い構造です。
長崎で人気の注文住宅向きエリアは。 大村市(長崎空港・新興住宅地)、諫早市(中央バランス)、佐世保市中心が戸建て住宅地として人気上位。長崎市は傾斜地中心のため、平地が確保しやすい郊外エリアが現実的です。
長崎で土地から探して建てる予算目安は。 長崎市内で延床35坪なら土地500〜1,500万円+建物総額2,500〜3,200万円(擁壁含む)で総額3,000〜4,700万円が現実的なレンジです。諫早・大村・佐世保なら土地400〜1,000万円+建物2,200〜2,800万円で総額2,600〜3,800万円が目安です。
長崎県内のハウスメーカー・地場工務店を効率的に比較するなら、傾斜地・台風対応の実績を含めて同じ条件で複数社に同時に提案を求めるのが近道です。家づくりの一括資料請求サービスでは、長崎県対応の会社から間取りプラン・土地提案・資金計画書を無料でまとめて取り寄せられます。

この記事で使ったデータ

いずれも国が公表している統計です。最新の数値は各リンク先で確認できます。

  • 国土交通省「不動産情報ライブラリ」2024年の取引。市区別・町丁目別の坪単価(宅地・土地と建物/宅地・土地)
  • 国土交通省 国土数値情報「地価公示」(L01-26, 2026年・CC BY 4.0)。住宅地の地点を市区別に集計した前年比
  • 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度」。建設費・住宅面積・土地取得費・世帯年収

市区別の集計は、上記の統計表を編集部で並べ替えたものです。「坪単価」は土地1坪あたりの成約価格で、建築費の坪単価(本体工事費÷延床面積)とは分母が違います。

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